ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

 残念ながらアマゾンに表紙の写真はなかった。トッテン氏の顔が大写しになっているのである。ビル・トッテン氏は政治評論で有名だが、氏は輸入パッケージソフトを日本に普及させた人である。この本は408ページにわたって氏の足跡を追っている大部な本だ。
 内容的には、IBMの大型コンピュータ用の米国製パッケージソフトがいかにして日本に輸入して普及させるべく格闘したか(それまではユーザがすべて自社開発していた)について、時代背景などとあわせて解説されている。この手のメインフレームの歴史などを読むのが好きという人でないとつらいかもしれない。ちなみに内藤はこの本でどうしてリレーショナルデータベースが普及したかとか、その経緯や、オラクルが現在の地位にたどり着くまでを学ぶことが出来た。また、恥ずかしながらシステムインテグレータが現在の地位を築いた理由も学べた。なるほどねー。
 しかし内藤にとっては、この本は内藤の仕事にかなり深く関連しているため面白かった。この本は、輸入ソフト代理店ビジネスの歴史と問題点を明確にしている。アシストの格闘の歴史はそのままこのビジネスの困難な点を明確にしていてとても参考になる。
 輸入代理店ビジネスというのはこの本にも記載があるが矛盾を抱えている。何かというと、売りすぎても売らなすぎてもいけないのだ。
 つまり、会社を続けていくためには利益を上げなければいけないから、売らねばならない。それに売らなければ代理店権を取り上げられてしまう。かといって売りまくって儲かれば、製造元が直販をしようと日本法人設立に動いてしまい、やはり代理店である権利を取り上げられてしまう。輸入代理店ビジネスはその微妙なハザマにいるのである。
 この本にはそれに対する明確な答えはないが、どういう対処法がありえるかのヒントが多く載っていて、内藤はとても勉強になった。
 というわけで、輸入代理店ビジネスをされているかたにおすすめします。