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懐かしい本。内藤は今の営業職をはじめて半年くらいのときに読んだ。ほかにも手当たり次第に読んだが、これもとても参考になった本である。「モノを売るとはイコール構成を立てて売るということ」というのは今となっては当たり前だが、氏の語るセールスの話は内藤にとっては目からウロコの連続だった。
氏は正直に自分の商売を教えてくれようとしている。実演販売でのクレームについても、実用性についても、正直に語っている。読んでいれば、なるほど商売ってそうだよな、ときっと思えるはずだ。
本全般にわたって論理的というわけではないし、矛盾に感じられる部分もなくはないが、商売ってのは理屈じゃないんだよと教えてくれるような内藤にとって大切な一冊。
商売はやっていると内藤はときどき不安になる。ときどきこれでいいのかなと思う。それを考えないようにしている者が多いと思うのだが違うだろうか。売り手と買い手は衝突する。そういうものだ。そこにネゴシエーションが生まれる。それをウイン-ウイン関係なんて心地よいコトバでだまされちゃなんねえ。ウイン-ウインは心地よいが信念のないウイン-ウインなんて妥協に過ぎないし、相手につけこまれる。その売り手と買い手の緊張関係をマーフィー岡田氏は老獪な手法で切り抜けていく。ウイン-ウインじゃない。でも喧嘩じゃない。詐欺でもない。そこには売り手と買い手という商業の基本的な姿がある。それにほっと内藤はするのである。
ひとにモノを売るすべての人にすすめたい。きっと明日から自信を持てるようになる