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この前に紹介した「売り込まなくても売れる!」の類書と言ってよい本。基本は、顧客の選別である。それに伴って、売れる可能性のない顧客に時間を使い、媚び、食い下がらないで、とっととこちらから商談を断り、売れる可能性のある顧客を選別してその顧客に時間を使え、という本である。
前の本のところでかなり詳しくこの手のセールス手法について解説したのでそちらをまずは読んでほしいのだが、このやり方はとても効果的だが、適用できるケースに限るということである。内藤のケースはまさに当てはまったのだ。
その条件は次のようなものである。新規開拓営業であること、マスマーケティングではないこと、コンシューマーにしろビジネスにしろ少数の顧客相手の営業であること、粘れば売れる商品ではないこと、商品にかなり個性があり特定の顧客には馬鹿受けするような商品であること、これに取り組む人間はマーケティングもやれる権限があること、深い商品知識と業界知識を持っていること、などがある。
条件は多いが、世の中、これに当てはまる業種、会社など結構あると内藤は思う。内容も中小企業向きだし、中小はしばしば知恵が足りないので、この本はカンフル剤になりうると内藤は思う。営業の手法だけでなく、そもそも売れるとはどういうことか、など使われる営業としてではなく、自分が経営するとして読むととても役に立つことが書かれている。内藤はとてもためになったし、読んでいてうなずくことばかりであった。
とりあえず、中小で新規開拓営業をしている営業マンから経営者まで、今の供給よりも需要が少ない停滞期の営業を考える上では必読であると思うので、超おすすめ。コンパクトであっというまに読める。これの続編も復習の意味と、補遺ということでおすすめ。