■

　ユニクロ創業者である柳井氏自身による解説なので、創業者にしかわからない意図も解説され、あれこれ内藤はためになった。ただ、ユニクロビジネス全体について網羅的に解説した部分がとても少ないので、前に紹介した「語録・ユニクロの戦略戦術」を先に読んでいたほうがわかりやすいと思う。

　ユニクロの業績低下にともないマスコミが手のひらを返したようにユニクロ批判をすることに対して反感があるせいか、いかにコツコツやってきたかを強調する作りになっていて、ちょっと地味な本だ。まあでも、自らの失敗について多く書かれており、率直に書かれているので役に立つ言葉があれこれ詰まっている。
　特にこの本で内藤が印象的だったのは人事についてである。急成長であったため、人手も足りなくなるし、人材も不足する。それについての柳井氏の考察はためになる。いくつもためになることが書かれているが、例えば内藤は次の部分が良かった。

　店長を最高の仕事ととらえ、店長の仕事を全うすれば、本部にいるよりも高収入が得られる。このような仕組みを作らないと、小売業は反映しない。

　というわけで、「語録・ユニクロの戦略戦術」と合わせておすすめの一冊です。