ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

 いまや久しく経営危機にあるダイエーグループですが、その成長と危機から日本の経済の歴史が学べる良い教材となっています。どういう時代背景から急成長を遂げたのか、そして、どのように経済状況が変わることにより、経営が難しくなったのかが学べます。


 特にこの三冊は、中内氏を口説き落として始めて氏の過去を自身が語った(会社の履歴書はこの後)本であり、氏の苛烈さも伺える良い本になっています。微妙に氏に配慮した表現を持ちつつも、出来る限り氏の凄さ、苛烈さも十分表現されており、大塚氏の力量を感じられる一冊です。


 良いものをどんどん安く、とは戦後の復興期に人より一歩先んじて構想していった中内氏の優れた視点でしたが、日本が豊かになるにつれ、ただそれだけでは物足りなくなっていくために、中内氏と世の中がずれてくるというのが学べる本でもあります。商売をする者として僕らは今後どうしていいかいろいろ考えさせられます。また、あれだけ苛烈な中内氏ですが、皆がついていったというのは、それだけ氏の語るビジョンに魅力があったんだろうなあと思わせられます。その意味でもいろいろ参考になる三冊です。ダイエーについては、これに加えて、日経の私の履歴書に連載された「流通革命は終わらない」と、佐野眞一氏の力作ルポ「カリスマ」も合わせて読むと、それぞれ立場が違うためによりよく分かります。