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前回、前々回に紹介したダイエーと中内氏に関する本はジャーナリストによるルポでしたが、こちらは公式版とも言える氏の自叙伝。こちらは、「中内功二〇〇時間語り下ろし」や「カリスマ」を読んでいると、なるほど公式見解としてはこうなるのか、と裏読みできる面白さがあります。
むしろこの本での見所は第二部。ダイエーのチラシや新聞発表、広告などの資料編です。中内氏はかなりの時期まで、広告や張り紙などについて自身で手を入れていたらしく、氏の流通革命に対する意気込みがチラシや広告文面に熱いくらいあふれています。その商売に対する真剣さに、その苛烈さにも関わらず、人は惹かれたんだなあと思わせられます。中内氏のほとばしるような情熱を感じることが出来る資料集は一見の価値があります。少なくとも、前に挙げた本を読まれた方にはお薦めです。