ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

入門書(のようなもの)にも価値がある (2004年7月19日+)

bizmania2004-07-15



  ビジネス書を読んで学んでいると、あれこれ読むにつれて、「ああ、これは別なタネ本があって、不十分な内容の本だな」と思うことがあります。


  そういうことはは、似たような内容の本を何冊か読んでいるとわかってきます。たくさん類書を買って読んでいると、これがベスト、という本が見つかります。それで、流れをたどると、特にコンサルタントの人の本では、海外の有名な人の本を種本にして、翻案して書いたようなものが多くあります。(いや、海外の有名なコンサルタントの人も、過去に出た本を参考にして一部を取り入れていることも多くあります。)


 でまあ、そういう翻案したような本というのは、それが分かると価値がないなー、とか思う面もありますが、でも実はそれらは参考書で言うと、入門書の役割を果たしていて、実は役に立っていると最近では思うのです。それを「入門書のようなもの」と言うことにしましょう。


  ある内容については○○氏の「×××」を読めば十分だよ、とか言いたくなります。でも、それに似たような、もしかするとその「×××」を読んで書いたようなビジネスコンサルタントの人の本とかも、実は役に立つのです。特に最初に読むときなんかは。


  というのも、自分がそういう系統についてまったく知らない場合、本格的な本だとなかなかとっつきにくいことが多くあります。概念とか用語とか語り口とかが、自分の親しんだものと大きく違うと人間はなかなか頭にすっと入ってこないものです。


  その点で、コンサルタントが書いた本は内容的には薄くても、そういう不慣れな読者に解説するプロが書いているわけで、読者にとってその世界に溶け込みやすくなって、入門書の役割を果たしています。そういう解説本や入門書のようなものでその世界の概念に慣れてから、定評のある本を読むと、細かなところまでよく理解できるし、逆に入門書レベルの浅さに気がつくことが出来ます。ここで、最初の本を読まなくてもいい、と思ってしまうのですが、実は、そうなれた自分があるのは小さなステップを提供してくれた入門書のようなもののおかげであるのです。


  ゆえにそうした翻案本のようなものは、新しい考えを広めるために役立っているのです。オリジナリティがあれば良いというわけでもないのです。ビジネスの場合、特許になっていない限り、マネするのはアリです。ちょっとそのアイデアを頂いて、というのは何の問題もありません。むしろ、マネする追従者が出ることで、マーケットが拡大したりするわけで、マネはビジネスでは普通だし良いことなのです。


  そこで、海外の優秀なビジネスについてのアイデアを翻訳して伝えて、しかも日本語で分かりやすく翻案したような本を書き、講演もしている日本のコンサルタントの人も、その優れたアイデアを分かりやすく伝道するという伝道師として重要な役割を果たしているのです。

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