ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

2004-08-24 「場当たり的に英語が出来るようになることには疑問」 (8/24のメルマガのコラムです)


ビジネス本マニアックスの内藤です。


 どもども。ではちょっと昨日というか一昨日の続きを書きます。


 内藤は、「場当たり的に英語が出来るようになることには疑問」なのです。


 やってるうちにできるようになったとか書いてますけど。


 英語は勉強するなとかそういうことが時々言われます。例えば、最近の神田先生の「お金と英語の非常識な関係」でもそういうことが書いてあります。


 その本で書かれているのは(もう少し先に紹介する予定ですが)、神田先生はMBAを取っても英語がペラペラじゃなかったが、英語でビジネスは出来るようになった。つまり、ペラペラは重要じゃない。という話で、英語でのビジネス力を鍛えるなら英会話学校に行くのではなく、海外の展示会に参加するなどの実戦がいい、というのですね。


 いや、まったくそうなのです。確かにそれは正しいと思います。内藤もまさにそうでした。展示会で鍛えられました。初めての海外がサンノゼの展示会でしたから。あれだけたくさんの外人を見たのは展示会が初めてですよ!!「すげえ、外人いっぱいだ!!」とびびったのです(笑)。


 ただ、でも、一つ言いたいことがあるのです。神田先生はペラペラじゃなくても、留学してMBAを取ってるんですね。それが実戦に投入されて、花開いたというふうに内藤には思えます。


 内藤もいちおうTOEIC810点ありました。しゃべれなかったけど。MBAとはぜんぜんレベルが違う話ですけども、大学に入る前と、入ってからも一生懸命勉強したのです。(内藤は23歳で大学に行ったのですけども、20歳くらいはまったく英語が出来なかったのです。)


 その努力の結果、英文は気合入れて辞書を引けば読むことが出来ました。でも、外人と英語でほとんど話したことがなかったし、ペラペラではなかった。映画の英語もぜんぜん分からない。それが展示会という実戦投入で、本当の実力に少し進化したように思うのです。


 つまり、内藤が言いたいのは、英語はやっぱり基礎が必要、ということなのです。


 実際、内藤の周りを見ていても、10年輸入商社でやっていても、英語を読んだフリは出来ても、きちんと英文を読みこなせないし、相手に細かな要望を伝えられない者が結構いるのです。(ウチのレベルが低いだけかもしれませんが…(笑))


 やっぱりね。学校で習う英語の基礎は大切なんです。高校レベルの英語は大切。文法ってバカにされるけど、文法は、ビジネスで失敗しないためにはとても大切なんです。


 英語は、単語の意味も大切ですが、同じくらい、構造が大切です。語順で意味が決まるのです。それがいわゆる「文法」に属することなんですね。文法を知らないと、単語の意味を辞書で引いて、その英文の意味を『想像する』という連想ゲームになってしまいます。


 もはやそれはビジネスにはなりません。ビジネスで必要なのは論理なのです。その文章が否定なのか、肯定なのか、部分否定なのか、部分肯定なのか、とても大切です。それを理解するには文法力(高校レベル)が必要なのです。また、全部なのか部分なのか。述べている範囲を理解するのも文法です。


 また、ある英文の意味を自信を持って言えるかどうかも大切です。というのもビジネスの英語では、教科書みたいな答えがないからです。現場で自信を持って理解できないといけない。もちろん分からなければきちんと相手に聞きなおすのは当然ですよ。でも、全部聞きなおしてたら馬鹿じゃないですか? それだとさすがにビジネスはうまくいかないのです。信頼性の問題になりますから。


 だから、高校で習うレベルの文法は必須です。それが出来ないとビジネスにはなりません。そしてそれは既に学んでいるか、学んでいないなら意識的に勉強しないと身につかないのです。


 だから、英語は学校で勉強してもダメ、とかは正しいのですけども、自分が高校時代に高校レベルの英語で苦労していたとすれば、基礎が出来ていないので、逆に文法を学ぶほうが近道になるのです。

 そういうことを言う著者は高校レベルの英語はたいていはとてもよく出来ます。または高校時代は出来なかったけど、大学に入ってから猛烈に勉強した、とかそういう人ばかりです。

 高校の教科書レベルの英語が楽に出来ることが必須です。
 (もちろん東大入試レベルとすると難しいのでそこまでは必要ないですが)


 ちなみに、英語が本当にあまり出来なくても、海外とビジネスをうまくやっている人がいます。ウチの社長なんかそうです。そういう話はあまり参考にはなりません。


 そういう人って特殊なのです。英語力が少ない代わり、相手の立場とか感情という、英語とは関係ない人間としての共通の部分をつかむのが異様に早いのです。要は、交渉の押さえどころをすばやくつかんでしまうのですね。英語が出来なくても。交渉のツボは押さえているので、英語力が弱くても、話が通じます。同じビジネスマンとして話が進むのですね。また、英語が出来なければ、相手も親切にしてくれます。むしろ、出来ないおかけで、得したりもします。相手がむしろ逆に配慮して考えてくれたりするから。


 ビジネスの要点を押さえていて、相手の人間としての立場とか感情をすばやくつかむことが出来る才能があれば、英語力は弱くてもある程度補えるということなのです。どうしても英語力が必要であれば、通訳を使えばいいし、実際に使うのです。交渉の要点を押さえているので、通訳を使っても問題は起きません。通訳を使うポイントは、使う側が語学は出来なくても相手の立場や感情を敏感に読み取ったり、ビジネスの道理をきちんとわきまえていることなのですね。


 逆に言えば、日本の中でナアナアの相手に甘えた商売をしていると、いくら通訳をつけてもうまくビジネスは進められないのです。相手の感情や立場を読み取り、交渉のやり方を知っていないとダメなのです。そうでないと、すぐに決着させたがって、やたら譲歩しまくったりします。それは相手の感情や立場を読み取る能力が低いからです。また、ビジネスの道理も必要です。相手が道理に合わないことを言った場合、敢然と違うと主張しなければなりません。それが出来ないと、いくら通訳をつけてもダメなのです。


 というわけで、やはり高校レベルの英語力は大切で、身につけていないなら逆に高校レベルの英語からやり直すほうが遠回りに見えて近道だというお話なのです。


 また、英語力がなくても英語でビジネスが出来た!という人は、実は高校時代は英語が得意であったとか、不得意ならば、人間的な交渉のエキスパートであったりします。最低どちらかは優れていないとだめなのです。

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