ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

2005-06-04 (1) 司会者みのもんたの凄み


  先日、テレビでミリオネアを見ていて、思った。司会のみのもんたって凄い。なんと言ったらいいか、とにかく徹底して商人というか。自分がなくて透明で居続けるというのは凄いと思った。一般にはみのもんたというと個性が強いという印象があると思うし、内藤もそう思っていたが、今は違うと思う。すごく透明なんだ。


  そのミリオネアでは、鮎弁当屋さんが赤字で大変で1000万円もらって帰りたいとかそういう話だったと思う。それで持ってきた鮎弁当を、みのさんが食べてみせるわけなのだ。じっくり味わって渋めの顔で「うまい」と言う。最初はそうだったが、まもなく、ニコニコして弁当をかき込んで美味そうに食べて見せたのだ。内藤は、ああ凄いなと思った。鮎弁当屋さんがそうしてもらうことを望んでいたのを目敏く感じ取って反応して見せたと思った。


  こういうことは、言うは簡単だがやるのは難しい。演技とは違う。相手の望むことを瞬時に感じとって、その中から自分に出来ることを相手にしてあげる、という技だからだ。まず、敏感に感じ取れないといけない。そして、常に相手の望むことをしてあげよう、という心がけが出来ていないと出来ない。普通の「個性の強い人」というのは、自分のやりたいことを相手に押し付けるだけだ。そこで、みのもんたは個性が強いように見えるが、その実、透明である、と気が付いたのである。


  このように見ていくと、お昼にやってる思いっきりテレビも、別な見え方がしてくる。電話相談のコーナーでみのもんたが渋い顔で相談者に諭したり、笑ったりしているが、結局のところ、あれは自分の意見を押し付けているのではないんだな。基本的には電話相談者が言われたいと思っていることを言ってあげているだけなんだ。電話相談してくる人が、何を言われたがっているのか敏感に感じ取って、それを言ってあげている。みのもんたにずばり言われたい人間が電話をかけているんだ。その期待にみのもんたは応えてあげているだけ。自分の意見なんてほとんど言ってない。または、視聴者の望むことを代弁してあげるだけ。テレビを見ている視聴者は相談者とのやり取りを見ていて「それはおかしい」とかいろいろ思うわけだが、それを敏感に感じ取って、みのもんたは代弁してあげる。そのどちらか。みのもんたには視聴者がこのように思うであろうな、このように言って欲しいであろうな、ということを敏感に感じ取ることが出来るのだ。


  常に、相手か視聴者の望むことを感じ取ってしてあげている。そういうことが、あの人を司会者ナンバーワンにしているのではないか、とか思った。だから、すごく透明なんだ。自分の意見なんか言っていない。相手や視聴者が言って欲しいであろうことを言ってあげているだけ。我が強いようにみえるが、ぜんぜん我を出してない。徹底して、相手を喜ばす、という考え方。そこらへんが凄く商売人だなあと思って、凄いなと思った。たぶん、若いころはそうではなかったはずだ。あるときから自分の意見を押し付けるのをやめたんだ。ある時から、相手が望むことをしてあげる、それを徹底するようにしたんだと思う。


  なーんて、これは僕が勝手に思っただけだけど。