ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

情報(文字、音楽、映画)の楽しみ方法という技術的な問題


 本が廃れないという話で続きを書くが、本は文字情報を乗せているメディアであり、かつ、再生機器である。紙に活字で大量に複製印刷するというグーテンベルグ以来のこの手法は非常に優れている。


[本] 文字情報+冊子(メディア兼再生機器)


 この組み合わせが最強なのは、コンパクトかつポータブルでどこでも文字情報を楽しめるし、しかも、冊子の複製が容易で頒布しやすいことである。


 ポイントは、持ち歩き容易でどこでも楽しめることである。というのも、こういう娯楽は人間の時間をいつ奪うかにあるからだ。実のところ、人間の24時間のうちの時間シェアの奪い合いなのである。


 PCブックのようなものはイマイチ普及しないが、それは、


[PCブック] 文字情報+PC(またはPDA機器)


 という組み合わせだが、PCではポータブルではなく、どこでも楽しめないし、PDAでは視認性が悪い。しかも、価格が高く、バッテリーの持ちなどから持ち歩きが不便である。少なくとも本に比べて。だから普及しない。同様に、


[PCで音楽] 音楽情報+PC


 という組み合わせでは、ユーザーは限られてしまう。音楽を楽しむ場所がPC前だけになるから。それが、


[iPodで音楽] 音楽情報+PC+iPod


 となると、どこにでも持ち出して楽しめるようになって、格段に利便性が増す。それは、レコード時代には音楽の楽しみ方が、


[レコード] 音楽情報+レコード(メディア)+レコードプレーヤー


 という構成であった時代よりも、ソニーウォークマンによる革命で、


[ウォークマン] 音楽情報+(レコード+レコードプレーヤー)+ウォークマン


 というふうに、ポータブルになることで、人間の時間シェアを格段に奪えるようになったために、音楽の楽しむシーンが格段に増えて、CDがとても売れるようになったわけである。



 今までは空間的に、メディアとプレーヤーがポータブルかかどうかで、人間の時間シェアを多くとることが出来て、普及するという話だったのだが、これは時間的にポータビリティがあるかどうかという話になるとテレビとビデオとインターネットになる。


テレビというメディアは、


[テレビ放送] 映像情報+放送局+テレビ受像機


 という組み合わせで楽しむことができ、空間的にポータブルでないし、時間的にも放送時間が決まっているのでポータブルでない。とても不便な楽しみ方なのだ。それにも関わらず、ある番組が見たいために、皆が家に帰ってその時間にテレビの前に座るということを自発的にさせることが出来るのがテレビというメディアの凄さである。とにかく映像情報は面白いのだ。それに対して、


[テレビ録画] 映像情報+チューナー+ビデオデッキ


 という組み合わせで、放送を録画して見ることで、時間的なポータビリティを獲得できる。ビデオが各家庭に1台以上普及したのも、テレビのように面白いものを楽しむために、時間的なポータビリティが必要で、そのためにビデオが必須であることが分かる。


[ビデオ] 映像情報+ビデオテープ(メディア)+ビデオデッキ


 この組み合わせで、映画ビデオが楽しめる。レンタルビデオはビデオテープを借りてくるわけだが、その部分が、PCに変わっても、時間的なポータビリティはそのままで、空間的なポータビリティも、近くにレンタル屋がないという環境でなければ、変わらないので、意外にオンデマンドによるビデオ配信はiPodiTunesなどによる音楽配信よりも進みにくいだろうな、と思ったりする。


 ここで、ネット各社が狙うテレビ局だが、テレビ局の放送番組をネットでいつでも配信するというのは、こんな感じである。


[ネットでテレビ配信] 映像情報+PC (メディア兼再生機器)


 これは、テレビの生放送に比べて時間的ポータビリティが得られるが、それならば、ビデオで録画とあんまり変わらない。つまり、ポータビリティという観点では革新的でない。だから、普及はゆっくりだと内藤は思う。


 むしろ、ハードディスクレコーダーの普及スピードを見ると、テレビに対して時間的ポータビリティを得やすいのは、ビデオデッキに対して、次は、ハードディスクレコーダーだ。


 また、ソニーPSPで、テレビ録画の持ち出しを狙ったが、映像情報で空間的ポータビリティを得るのはまだなかなか難しい。映像は歩きながら楽しめないからなあ。ま、ありえるのは長時間通勤で座ってる人くらい。そういう点では、まず飛行機でオンデマンドのビデオ配信は実用化されてるので、これは全機に配備になっておかしくない。たぶん、次は新幹線に配備されてもおかしくない、というか、なんで新幹線の座席に液晶がついて映画が観れないのか不思議でしようがない。


 というわけで、ネットでテレビ番組配信は別に革新的でもないと内藤は思う。むしろ、ネットより静かに凄いのはハードディスクレコーダー。ネット各社がテレビ局を狙うのは、人気番組があるときには皆を家に帰らせてテレビの前に座らせて見させるような凄い集客力が欲しいのだろう。ネット各社はレコード会社や出版社並みの集客力は得られるだろうが、テレビ並みの集客力はまだないからだ。買収すればそのノウハウと人材が得られると見込んでいるんだろう。


 ちなみに、空間的ポータビリティ、時間的ポータビリティで見ると、携帯電話の普及は分かりやすい。家電話に対して、空間的ポータビリティがあるので、個人の時間シェアを取れるので携帯電話は普及する。その前のコードレスホンも、電話機本体の前にいなくていい、という小さな空間的ポータビリティがあるので、何か作業しながら電話できたりして普及したと内藤は思う。携帯電話のメールも、最初はわざわざ携帯電話でメールしなくても、という意見もあったが結局は普及して当たり前になった。携帯メールは、PCメールに比べて、持ち運べてどこでも送受信できるという点で空間的ポータビリティがある。また、携帯での通話に比べて相手と時間差でやり取りできるという時間的ポータビリティも得られるので、普及して当然であった。



 あれ、なんか結果論言ってる気がしてきた。あはは。