ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

電気・電子学科が不人気というけど、そんなのに煽られるなかれ

工学部で電気学科、電子学科が不人気とか。なるほど、卒業しての就職先企業は、どこも景気悪いし、確かに不人気というのは分かる。



○人気不人気に煽られない


でも、そんな一般的な情報に煽られてはいけないよ。学生のみんな、そこは気をつけて


好きなことをやるといい。電子工学やりたいなら、不人気だろうと選ぶといい。きっと良いことが待ってる。人気だからといって選ぶのは辞めたほうがいい。きっと良くないことが待ってる。


というのも、この手の人気不人気なんて5-10年でコロっと変わるから。報じられてるものは、目先のことしか報じてない。でも、僕らの仕事人生は40年くらいあるからね。そんな目先情報に煽られると損するのは僕らのほう。



歴史観を持つ


僕は37になってよかったなー、と思うのは、20年前、30年前のことをリアルに知ってるということね。みんな今のことばっかり見てるけど、歴史はある程度繰り返す。というか、人気不人気は循環してる。歴史観は持ったほうがいい。特に最近はこの100年くらい前の歴史をいろいろ読んでても思う。


僕の大学受験のころは1989年で20年前、バブルの最中だった。僕はそのころ、電子工学科志望だったけど、そのころ工学系で人気だったのは、電子学科だったんだよね。今は不人気の。難易度が高くてどうしようかなあと思ったのを覚えてる。いや、当時でも人気のピークは1987年くらいかな。90年代に入って、情報系が人気になった。もちろん、それらも今は見る影もない。


当時は造船工学なんか人気なくてね。造船関係が人気だったのは、1960-70年くらいかな。ま、今で言う電子工学科みたいな存在だった。要は、日本は造船産業が盛んになったあと、価格競争で造船業が追い込まれ、リストラが相次いだ。当時は、そういう時代だったので、就職時には花形産業で、有能な奴が就職して行ったのに、みな転落していって哀れとか言われたもので、失礼な話だけど、似たようなことどこかで聞いたことない? 今の電子学科の話と同じだよね。同じことが電子関係でもあっただけのことなんだよね。


原子炉工学も似たような歴史をたどった。最初は未来のエネルギーともてはやされたけど、80年代後半になるとチュルノブイリ原発事故などから核をなくそうという話で不人気に。ところが、2000年になってCO2排出削減となると、代替エネルギー源として注目を集めだす。こんなに世の中は気まぐれ。


造船も原子炉も、今はどちらもそれほど悪くないでしょ? 産業として生き残るところは生き残ったし。その学科行った奴が少ないから有利だよね。


産業の興亡は波のように常にあるので、今流行ってるところに行こうとしても、タイムラグがあるから間に合わないんだよね。何しろ、まずは学科を選択して学校行って就職して修行して主力メンバーになるまでに10〜15年くらいはかかるから。そして人気職種は10年持つかどうかだし。何が流行るかなんて予測はムリ。


たとえば、僕は電子工学科志望ではあったけど、他方、人間心理にも興味があって、文学部心理学科行って、カウンセラーというのも考えた。ただ、1987年くらいのときはカウンセラーというのがまだ一般的な職業ではなかった。職がない時代だったんだけど、あの時、志望して行っていたら、今はそれなりに仕事を得られていたろうなあと思う。カウンセラーという仕事が急速に認知されるようになったから。そんなこと、20年前には分からないことだった。


ここから見ると、マスコミで人気不人気が言われるものってホントに目先の数年ことだけ言ってるというのが分かる。僕らの人生スパンはもっと長い。40年くらいはあるからね。目先の人気で人生選択しないほうが絶対にいい。今、○○学科が人気だからといって行くと後で苦しむはめになる。


今、人手が少なくて人募集みたいな業種は多分5年すると人が余るとか言われるよ。注意したほうがいい。介護とか。だってプログラマーだって数百万人不足するとか言われたものね。



○人生は好きなものを選ぶ 〜好きの基準〜


人生選択は、好きなもの選ぶと、周りがどうあろうと自分は楽しい。苦しい時期もあるだろうけど、耐えられるしね。金が儲かるかどうかは運まかせでいいと思う。


僕は、最終的に経済や商業をやろうと思って、大学は商学部商学科に行った。ビジネスに興味があったんだ。何で取引が行われるんだろうというのが僕の昔から今に続くテーマ。で、紆余曲折はあったけど、小さい輸入商社に行き、その後、IT関係の小さい会社にいるけど、やり続けているのは、ハイテクのセールスとマーケティング。これはいつも楽しい。商材が変わっても、売れるという瞬間が楽しいんだよね。何で人は買うんだろうという興味がある。売れなければなぜ売れないのかを研究するし、売れたらなぜ売れるのかを研究する。それで少しずつ分かっていく。楽しい。


念のために説明すると、「好き」というのは、見た目カッコイイ俺が好き、っていう好きのことじゃない。それは見栄という。


好きってのは、実際に何かやってるときに喜びを感じるようなこと


そのものをやってるときに喜びを感じるんだから、景気がどうあろうと、周りが人気だろうと不人気だろうと、とにかくやれてて楽しい。だから、好きを基準にすると良いという話。まあ好きでもリストラされるとかあるかもしれないけど、ただ、ほんとに好きな人は仕事があるような気がするんだよね。100%とは言わないけど。


アメリカでエンジニアを見ていたけど、アメリカは電子に関しても国内生産はあんまりしてないんだけど、腕のいいエンジニアが結構いて、フリーランスとか、小さい会社立ち上げたりして仕事してるのを見た。彼らは仕事が好きで、極めているんだよね。そういうのを見ると、電子技術に関しても、僕らの生活でそういうエレクトロニクスはなくなることはないし、好きで腕を極めていけば、仕事はあるように思えるんだけど、楽観的過ぎるだろうか。


まあ、僕はセールスとマーケティングの技術を極めていくんだけど、この仕事も面白いよ。やってて楽しいと思える。そういうのを選んでいけば、運ってそれなりに回ってくる気がする。少なくとも、マスコミの人気不人気とか、人手不足なんてのは、仕事を選ぶ動機にしないほうがいいと思う。それが伝えたかったこと。



電子学科が不人気でも、それが好きなら行った方がきっと楽しいことが待ってる。誰も電子学科卒業生の20年後は想像できない。未来を切り開くのは、それが好きで選んでいった子たちだから。



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