ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

30歳近くになってから選ぶ仕事選び

昨日は、20代で行く場合の大学と学部の選び方、について書きましたが、今度は、30歳近くになってから選ぶ仕事選びについて書きます。


30歳近くになってから選ぶ仕事選び


まず、30歳近くになってから仕事選び、というのは世間的に言って、とても遅いんです。僕みたいに、ノホホンと現実感なく生きてきたりした奴が30になって迷うわけです。恥ずかしい話ですけど。まあ、仕方ない。


ホントは遅くとも高校生の時には就く職業は決めておいたほうがいいと思います。そういうことに気づけなかった自分はバカだったなあと思うんですよね。何にも考えていませんでしたね。なんとなく、何とかなると思ってたんです。でも、人生が勝手に「何とかなる」ことはないんですね。自力で「何とかする」しかないのです。


さて。そういう僕が最初に理解していなかった点が、職です。自分に合う仕事を探す、と考えてしまうんですよね。現実には、自分にも出来る仕事を探す、しかありません。


その場合に理解しておくべきポイントが2つあります。

1. お金を持っている人の役に立って対価としてお金を貰うのが「働く」
2. 職種は就労者人口が多いものを選ぶ


これを順に説明していきます。


■お金を持っている人の役に立って対価としてお金を貰うのが「働く」


僕みたいにノホホンと生きていると、自分の働きが評価される職業がないかなあと思ってしまうんですね。いろいろ夢想したりして。


でも、いくら動いたり考えたりしても、人の役に立たないのは、職とはいえません。お金を払う人がいませんから。お金を払う人の役に立つ、というのが仕事なんですね。


仕事でもっとも必要なものは、お金を出す人の存在です。それが経営者であったり、クライアントだったりします。経営者やクライアントに代わって身体を使ったり、頭を使ったりして、対価としてお金を得るのが「仕事」です。


「こんな仕事が成り立つんだ!」という仕事が存在するのは、お金を出す人が存在するからです。太鼓持ちだって、立派な職業なのは、お金を払う人に必要とされているからです。逆に、僕らが夢想する仕事が成り立たないのは、お金を出す人が存在しないからです。商売の上手な人は、お金を出す人を見つけるのが上手いのです。起業家が優秀な営業マンというのはそういうことです。


他人に使われてお金を貰うのがイヤなら「お金持ち」になるしかありません。「お金持ち」というのは、お金を出す人です。自分に代わって、他人の頭や身体を使うことが出来る人なんです。ただ、僕らは普通は「お金無し」なので、働くしかないですし、お金を払う人を探す必要があります。お金を持ってるというのは、このようにエライのです。これは社会の仕組みなので、イヤなら社会主義革命を起こすしかありません。


仕事探しのポイントは、お金を払う人があるような仕事を出来るようになって、職を得ていくことなのです。そういう仕事をする中から、働くことの充実感を見つけていくのだと思います。また、比較的、自分の得意な仕事を得るようにすることで、働きながら自分の個性を活かしていくことになると思います。


そのように考えることが出来るようになると、今の自分に出来ることにお金を払う人を探す、ということは非常に難しく、お金を払う人の多い仕事を探すことのほうが早いと分かります。お金を払う人の多い仕事を出来るようになるようトレーニングを受ける、というのが職業訓練なわけです。



■職種は就労者人口が多いものを選ぶ


お金を払う人のいる仕事を探すのがポイントと分かると、次はジョブマッチングの話です。


マイナーな職業を最初から目指すと仕事は得られにくくなります。もちろん高校生くらいから計画的に狙うのであれば良いのですが、30歳近くになってから慌てて探すという段階で、やるべきことは、就労者人口が比較的多い職の中から、自分に出来そうなものを選ぶということです。


その職業の人数は世の中に何人いるのか、調べれば大まかには必ず分かります。職業というのはニーズがあるから生まれているので、人数が多い=需要が多い=社会に多く必要とされている、であり、人数が少ない=需要が少ない=社会にそれだけしか必要とされていない、なのです。就労人数が多いというのは、お金を払う人の多い仕事、というわけです。


もちろん、需要が少ない職業だって必要だから存在するので、意義はあります。ただ、自分が成れるかという点が考えると不安があるのです


就職は基本的に欠員補充によって生まれます。世の中に10,000人しかいない職で、急成長業種でなければ、新卒は定年退職者分しか不要です。とすると、年齢分布にもよりますが、3-5%くらい補充すれば良いので、毎年500人くらいしか必要ではないのです。その職を供給する学部学科の人数はどれだけあるかというと、大抵は数千人以上はあるんじゃないでしょうか。つまりは高倍率。志願者の中で自分が上位に行かないといけないので、よほど気合いれてかからないとダメということになります。


結論から言うと、求人情報サイトで募集の多い職業が、就業人口が多く、お金を払う人が多い職と考えて良いです。いかにその中に自分をはめ込むかという話です。ただ、なぜそうなるの?というのは、こういう背景があるということなんです。


自分の個性を活かした仕事を探す、というのではなくて、今ある募集されている職に自分をはめ込んでいかなくてはいけない、というのはそういうことなんです。

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※(余談) マイナー職への就き方


ちなみに、マイナー職に就くにはどうすればいいか、と。まあ僕も良く分かっていないのですが、理解しているポイントがあります。


職の種類にもよりますが、基本的にはマーケットを介さない、というのがポイントだと思います。求人募集にはほとんど出てきません。毎年、数十人から数百人程度が動くだけの世界ですから顔が分かる世界です。求人マーケットには出てこないんです。


養成学校があるものは、そういう専門の学校を高卒、中卒で行くことです。これは自身が中学生、高校生のあたりから計画的に行かないといけません。将棋のプロ棋士の世界だって奨励会に入るというのは、特殊ですがそのパターンの一種でしょう。パイロットが航空大学校に行くのもそう。法律の教授になりたければどこの大学で、どこの院に行くか、どこの先生に就くべきかもある程度決まっていますよね。お坊さんもそういうコースがありますよね。こういうのは養成学校を探すのがポイントです。養成学校は公式とは限りませんが、その業界では養成学校的に見なされているところです。この手の養成学校は30歳から入りたいといっても、あまり門戸が開かれていないことが多いです。


また、そういう養成学校的なものがない場合は、実績や実力がモノを言いますので、基本的には、顔が知られて、その中で紹介、勧誘です。あとは、社内でたまたま異動とか、それも紹介の一種ですね。


あとは、世襲ですね。世襲で決まる世界も多いわけです。


最後は、自分が成ってしまう、と。社長職なら自分が起業してなってしまうというような。


数十人しか動かないのはマーケットに馴染まないので、こんな感じになっていると僕は理解しています。求人マーケットに出ないこともないとは思いますが、マイナー職はマーケットに馴染まないということは理解しておいたほうが良いと思うのです。僕も良く分かっているわけではないので、間違っている可能性は否定しません。ただ、30歳で就職しよう! 自分に合った仕事はこれこれのマイナーな仕事だけど探せばある!とは思わないほうが良いと思うんですね。そのほうが門戸が狭いので。