ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

おひさし / マクドナルド絶賛

こんちは。久しぶり。3ヶ月ぶり。昨年末から3月末にかけて超忙しかったですよ。なんか普通のビジネスマンみたいに。


けっこう、自分のためになりました。やっぱり困難な状況は自分のレベルアップする試練になって、後から振り返ると「良い経験させてもらった」という気がします。なーんて、良い子なコメントしてみたりして。はは。


でも本当に役立ったなあ、と。こういうときに大切なのは、次に同じケースが起きた場合にどうするのがベストかマニュアルを頭の中に作りながら対処していくことかなあと思います。そうでないと毎回、同じようなトラブル起こして、同じように失敗する人もいたりするので、そういう人には試練はぜんぜんためになってない。そういう人が社内にいたりするんですけども。


相変わらず本は馬鹿みたいに買ってます。知れば知るほど面白い。ただ、これそのまま紹介すると、怪しい紹介になってしまいそうなんで、どうかなあ、と。やっぱ、定評のあることとか、分かりやすいこととか紹介しやすいですよね。皆が言ってるようなことを同調して言うのってやりやすい。



そういえば、「皆に同調する批判は言いやすい」というので、ひとつ思ったことがあります。


この前、お昼に大崎に行ったので、そこのマクドナルドでセットメニューを食べてました。僕はここのテリヤキバーガーが好きで、てりたまバーガーが出てたんで、それ目当てに食っていたわけです。で、食いながら、いつもながらマクドナルドの味はいつもほぼ同じで、適度にうまいねえ、とか思って食べてました。値段も500-600円と手ごろだし、とにかく早く出てくるし、味は安定してるし。


でも、マクドナルドは価格を下げすぎてハンバーガーの価値を下げてしまったとか、戦略ミスとか、いろいろ言われるわけですよ。外野の評論家は。でも、本当にミスしてるのかなあ、と。そんなことないんじゃないかなあ、と。


確かにマクドナルドは誰からも分かりやすい戦略修正を繰り返しているので、「ミスしてる」って分かりやすいですよ。価格を下げたり上げたり。新商品を出したりやめたり。でも、マクドナルドは深刻な収益力低下に陥っているとは思えないし、若干利益率が下がったりとかはしてるようだけれども、まだまだ良く出来たビジネスだと思うのですよ。


むしろ、僕からするとマクドナルドはとにかく凄い。まず、その分かりやすいミスですけども、ここは戦略修正が素早いんですよね。やってみて、失敗したな、と分かると直してる。だから、みんなが見て「あ、失敗したね」と分かるわけで。むしろ、あの巨大なハンバーガーチェーンのくせに非常に身軽な動きなんですよ。普通はあんなに戦略修正なんてプライドがあったり、鈍重だったりしてなかなかいかないですよ。


また、価格破壊でハンバーガーの価値を下げたとか言うわけですけども、本当にそうかな、と。ああいう工業生産品のような食品は、リリースされて30年経って、価値は低下しているんですよね。それを忘れてはいけないと思うのです。つまり、ハンバーガーの価値は下がっていたんです。90年代はどこかが必ず価格下げしていたに違いないんです。そこで、消費者の感じる価値の低下にあわせて、むしろ先導するかのように下げて見せたというのは凄いことですよ。だって、価格下げなければそれだけ利益がとれると普通の経営者は思うわけだから。うまく行っているビジネスを破壊しながら改革していくのはよほどの感覚だと思うわけです。


結局、あの100円以下にしたマクドナルドの激安ハンバーガー攻撃で、同業他社がみんなやられたわけですよ。高付加価値化していたモスとフレッシュネスがなんとか逃げられただけで。あれで逆にマクドナルドが値段を下げないでビジネスを続けていたらどうなっていたかといえば、当然、他社が価格攻勢をかけてきてマクドナルドは縮小を余儀なくされていたに違いないと僕は思うわけです。むしろ、あの最大手が先手を取ってありえないぐらいの値下げ攻勢をかけたことで同業他社がみんな気勢をそがれてしまった。戦意喪失させるパワーがあったわけで、それが現在のマクドナルドの地位の確保に繋がっていると思うんですよね。もう、他社はマクドナルドに低価格戦略で挑もうなんて思わないですよね。だってマクドナルドはこれからもハンバーガーを65円とかに出来なくはないわけだから。他社に低価格戦略を封じたというのは最大手として凄いことです。


まあ、ほかにもさりげなく凄いのは、マクドナルドって昔とオペレーションがぜんぜん違ってるんですよね。昔は、お昼のピークに対応できるように、予測しつつ大量につくり置きして時間が経ったら廃棄というのをやってたわけです。飲食店としては画期的な、先に作っておく、わけです。大量生産方式ですよね。ところが今は違うわけです。今は、調理器具を革新することで、途中まで作っておいて、注文に応じて最後に仕上げて出てくる。だから、カウンターの後ろを見ていれば、昔はハンバーガーが種類ごとストックされていたのに、いまはそれがなくて注文に応じて中からベルトコンベアとかでスルッとキッチンの奥から出てくる。つまり、大量生産方式から、受注生産方式に切り替わってる。これは、実は凄い革新ですよ。生産思想が違うんだから。それによって廃棄ロスも大幅に減らせているはずです。つまり、高度成長期から成熟期向きの生産体制に変えてあるわけです。しかも、ビジネスがうまく行っている最中にそういうことをやっているんですよね。


また、メニューもいろいろ試行錯誤しながら変わりつつ、結局、うまい具合に、セットメニューが500-600円くらいに、一時期よりも高めに戻して、季節ごとに季節メニューで新鮮味を出しつつ、レギュラーメニューの品数は絞って効率化はすすめ、低価格感は出すために100円メニューは残す、というキメの細かい手直しがされているなあと思います。また、セットメニューでは、ポテトが嫌いな人は、特に女性向けに受けのいいサラダも選べるし、大食い野郎には+30円でポテトが嫌というほど食べられるし、ドリンクも+20円でLサイズでがぶ飲みに出来るわけです。これね。すごくキメ細かいなあと思います。たぶん店舗からきちんとフィードバックかけてると思う。そうでなければ、こういう気の利いたことは出来ないなあと思います。たぶん、マクドナルドを愛した連中が社員で、けっこう頻繁に自社のハンバーガーを食いながら、どうしたらいいか考えているんだと思う。そういう自社に対する愛を感じたりします。


そんなわけで、この前はハンバーガーを食いながら、マックって相変わらず凄いなあと思いながら食ってました。だから、マックがあれこれ試行錯誤してるのって分かりやすいから言いやすいけど、あの巨体でこれだけ俊敏にうまく訂正してくるのは凄いことだなあ、と。むしろ、成功例といってもいいのではないか、と。まあ、僕は飲食のプロじゃないんで、僕の見方は単なる素人に過ぎないわけですけどね。



ちなみに僕はテリヤキバーガーかダブルチーズバーガーが好き。ほかはあんまり好きじゃないなあ。ちなみに、アメリカのウェンデーズのClassic Double with Cheeseは、マックのダブルチーズバーガーが好きなら、絶対気に入ると思うのでお勧め。日本のは良く知らないけど、アメリカのウェンディーズのダブルチーズはミートパティが分厚い四角いのが2枚入ってて、にくにくしくてうまい。フレッシュなオニオンとトマトもナイスなコンビネーション。