抗がん剤治療2クール終えて、3クールへ
こちらのエントリに関連して。
年明けから化学療法を開始して2か月が経過しました。前回の退院後から今日までの流れを書いてみます。
■通院治療開始
退院後は結構フラフラだったので、朝のラッシュの少しあととはいえ、混んでる電車で病院まで通うのができるか多少心配でした。タクシー乗らないとダメかなとか思いつつ、行きは山手線も座れたりして無事到着。
病院についたら、再来受付機で受付ののち (こういうのはすべて自動化されている。いくつか行ったがどこもそう)、検査センターで採血し、診察を待ちます。採血は治療が可能か判断するため。抗がん剤による副作用で骨髄抑制などがあり、白血球数などが下がるのですが、一定値より下がると感染症の危険のため抗がん剤の投与がその日はストップとなります。来たけど治療受けられないのはなかなかショックですがしょうがありません。(今となれば新型コロナの関係で免疫弱者ですし)
診察で治療okとなれば次は化学療法室、通称、ケモ室へ行きます。
■外来化学療法室 通称ケモ室
通院での抗がん剤の化学療法は、外来専用の化学療法室というのがあります。どの病院でもあるようです。ケモ室ともいいまして、Chemotherapy (ケモセラピー: 化学療法) から来ています。Wowowでやってた海外医療ドラマのニューアムステルダムでも「ケモ」って言ってました。
ケモ室というのは、リクライニングチェアやベッドがずらずらっと並んでいて、そこに皆並んで投与を受けるのです。割合とテキパキと進められます。私の場合、3時間くらいですね。周り、みんな、がん患者ということで嫌な気分はしません。
そこではカード式のテレビがありますが、私はタブレットでマンガ読んでました。でも、抗がん剤は私の場合途中からだるくなって眠くなるのでウトウトして終わる感じです。飲み物や食事も匂わないならOKでサンドイッチとか。私はインゼリーを飲んだりしています。
で、治療が終わったら、少しフラフラなんですが、ゆっくり歩きつつ会計して薬局寄って帰途につきます。初回、タクシーかなと思っていましたが、ゆっくりであれば歩けたので電車で帰りました。結構タクシー代はもったいないんですよね。片道5000円かかるので往復1万円とかやってるとなかなか。
■化学療法はお金がかかる
ここで言いますと、化学療法は結構お金かかります。交通費もありますが、化学療法の薬代が高いんですよ。私の場合、3割負担で1回8万円くらい。1か月1クール3回で24万円。健康保険の高額療養って私の場合、上限が17万円弱だから月17万円、ただ、これを4回やると月8万円上限まで下がりますが、こういう治療が1年とか続くと100万円くらいは少なくともかかるのです。
でね。私はがん保険には入っていなかったんですが、がん保険の保障内容は良く見た方が良いですよ。抗がん剤治療は30日以内に1回分のみ5万円までとかそういう規定になっているのがあります。抗がん剤治療は、その種類にもよりますが、そんな少ない回数なのないですから。しかも1回が高い。抗がん剤治療分をフルサポートするのって多くなさそうです。入院、通院無制限なんて大したことないんですよ。入院も今は短いし、通院で出る額は5千~1万円とわずか。抗がん剤治療が一番回数多く、一回当たり高額で長く続くんですね。
■通院開始して2週間、体調良くなる
化学療法が効果あったようで、がんによるお腹の痛みが、普通にしていれば、ほぼ感じられなくなってきました。とはいえ、朝から夕方まで1日起きて仕事をしているとお腹の痛みも出てくるので、一度横にならないといけないのですが。また、緩和ケアにもかかっていて、医療用麻薬の痛み止めも使っています(これがないとダメ)。とはいえ、痛み止め使いつつもお腹の痛みがほぼ日中感じられなくなったというのはありがたいことでした。
この痛みがなくなると、自分ががんなのか、がんで死ぬ運命なのはホントなのかと思えてくるほどでした。ありがたいことです。というものの、これが後からまた痛くなるので、やはり、がんだなあとシミジミすることになります。
■ちなみに副作用は
抗がん剤というと副作用が気になるところですが、1クール終わったところで、髪はかなりごっそり抜けました。美容院に行ってベリーショートにしてもらったんですが、その後も抜けるので、バリカンで1cmくらいに短くしていい感じに。さらに気をよくして刈り上げたら、いや、これがお坊さんみたいで奥さんには不評でした。
というわけで、坊さんすぎるので、日中は、がん治療の人がよく被っている帽子を私も被ることに。髪は抗がん剤治療を辞めれば戻るらしいです。
ちなみに、ひげもかなり濃い方でしたが、こちらもかなりなくなって、髭剃りがいらないくらいに。脱毛サロン並み。他方、すね毛はもともともじゃもじゃで今もかなりあるんですけど。下の毛は1/3くらいに減少。毛によってかなり違いがあります。
あとは、末梢神経障害。足先のしびれ、冷え感があります。生活にすごく支障があるわけではない感じではありますが、結構気になる。今は気休めですが、低周波治療器やエアマッサージ器で刺激を与えてみたりしています。治るわけじゃないんですが、心地よいのと、マッサージ直後は感覚が良いので。整体の人の論文でちょっとは効果があるみたいなのを見たりしましたね。
細かいところでは味覚障害。水が少し酸っぱく感じます。食事はそれはそれで全体のバランスは崩れないんですが、特定の場合に違和感を感じるんですね。味覚はなかなか面白い。あと醤油の塩味が強く感じるとか。ダシ醤油は大丈夫。
抗がん剤は、がん細胞という成長が激しい細胞の特性を攻撃するようになっていて、その関係で骨髄細胞とか髪の毛とか成長するところも一緒に攻撃してしまうんです。そこから出る副作用が多いんですね。
■妻の両親に挨拶とスキー
体調が治療によって良くなってきまして、1クール目の治療が終わり、2クール目に入る前で、免疫が回復してくるタイミングを見て、東北地方の妻の両親へ挨拶に行きました。体調が良い時で今後いつ行けるかわからないので、行っておこうと。ちょうど新型コロナの話が出始めたころで少し不安はありましたが、この機会を逃したらもう行くことはできないかもしれないという気持ちでした。行って良かったです。
また、これはスキーに行く家族旅行も兼ねていました。以前、先方のお義父さんから今度スキーをしにいらっしゃいと誘われていて、息子の初スキーを一緒に体験したかったんですね。これも無事体験出来て良かったです。パパ転んでた、うふふ、という息子のコメント。
■2クール目最後の投与はスキップ
2月中下旬は、お腹の痛みもなくなり、疲れやすいことを除けば、大変好調でした。がんであることを忘れるくらい。週1回通院し、翌日はだるいので休み、会社は週3日勤務にさせてもらっていました。2日出社、1日リモート、または、2日リモート、1日出社みたいな感じに。
それで2クール目の最後の投与は、採血の結果、白血球数が基準に満たなく、治療はスキップとなったのが残念でした。そのあと次のクールまで1週間休みも入りますので、次の治療日まで3週間空くことになります。
■CT撮影
化学療法というのは日に日に劇的に良くなっていくものではないので、2~3か月おきくらいにCTを撮って腫瘍が縮小しているか見ます。2クール (私の場合、週1回投与、1か月を1クール) 過ぎた3月第一週にCTを撮りました。
結果としては、すい臓の腫瘍は1mm小さくなっているかなというところ (30mmある)。腹膜への転移も1mm小さくなっているかなと。効果は多少みられるというところで治療を継続していくことになりました。腫瘍のマーカー値も半分になったり、腹水検査でがん細胞が見つからなかったなど、改善の兆候も見られています。
(ちなみに、化学療法は、がん細胞を攻撃して腫瘍を小さくしていくのですが、うまく効けば腫瘍は小さくなりますが、当初効いていても効かなくなるタイミングが現れます。今度は抗がん剤に対して耐性あるがんが育ってくるんですね。その場合、治療は抗がん剤を切り替えるなどで対抗するわけですが、薬剤がない場合もあるし、身体が副作用に耐えられない場合もあり、治療が続けられなくなるタイミングがやってきます。私の場合は、ベスト中のベストのパターンは腹膜のがんが消え、すい臓のがんが切除可能まで小さくなる(ステージ2)ことですが、これはなかなかのレアケースです。)
■腹痛が復活
2クールが終わり、2週間経過したあたりから、腹痛が復活してきました。これが日に日に悪くなるんですね。痛くなってきたとき、最初はなんだろう?なんだろう?と思っていましたが、お腹のがんなんですよね。ああ、がんだなあ、これは進行しているんだろうか、と少し嫌な気分になったのを覚えています (CT撮影後なものの、その結果を聞く前なので)。
3クール目の最初の治療日を迎えるころには、退院直後くらいのお腹の痛さになってしまいました。激痛というわけではないんですが、何とも言えない痛みで、お腹と背中にも来るんですね。起きているのがつらく、寝ている時間が増えます。以前使っていたマッサージ器で腰や背中をマッサージしてやり過ごします。寝ても痛いんですが起きていると痛みが増してくるので寝ることになります。また、かなり疲れやすくなりました。そのため子供の保育園への送りも奥さんに頼む日が増えました。
実は治療の2クール目と3クール目の間で、免疫が回復してくるタイミングで子供とゴーカート乗りに行こうと思っていたんですよね。残念ながら腹痛の復活でできませんでしたし、その前に、新型コロナ対策で学校休校が始まり、予定していた先も休園となってしまいました。まあ、運命ですね。たぶん、行くなというサインなんでしょう。
■3クール目の治療開始
そして今週、3クール目の治療日がやってきました。お腹が痛いのと立ち眩みがするのでフラフラで、病院に行くのもなかなか苦労でしたがなんとか到着。採血、診察の流れののち、ケモ室へ。
いつもより抗がん剤の投与で眠気やだるさが強く、フラフラしながら何とか電車で帰宅。
でも、帰宅して、気づいたのは、お腹の痛みが引いているんですね。お腹のがんにはかなり効いて、痛みが引いてきました。抗がん剤ががんをやっつけているんでしょう。ありがたい。
また、緩和ケアの先生にも相談して、朝晩の痛み止めを少し増やしてもらうことにしました。痛みが引いたのは痛み止めを増やす前ですから、抗がん剤治療が効果あったようです。
というわけで、痛みはまただいぶ抑えられ、普通の暮らしができそうです。
痛い間は体重が1日あたり300gくらい下がるんですよね。がんが元気なときは身体のエネルギーを奪うんですね。がんは太る、身体は細る。
というわけで、個人的なビッグニュースは、お腹の痛みがまた治まった!ということなのでした。ありがたや。
まあ、化学療法が効かなくなったり、医療用麻薬の痛み止めのおかげでもあるので、薄氷の上を歩いているような感じではあるんですが、死に至るまでにいろいろ準備する上で痛みがないのが助かります。
例えば、本はたくさん持っていて、以前3年ほどかけてスキャンして処分した後、また増えて、雑誌含め3000程あるんですが、これを整理しています。9割くらいまで処分進みました。部屋に大量に置いていましたから、家族に迷惑がかかるのでこれを置いては逝けません。まあ、もともと子供が小学校に上がるまでに整理するつもりだったので、ある意味ちょうどよい機会ではありました。
また、子供には時間のある時にいろいろ本を読んだり録音を作っておくことにしました。そういう時間も取れますしね。1時間朗読するとなかなか疲れるのでお腹が痛いとできないんですよ。
なんだかあんまり読んで楽しいお話でないのですみません。
今度書こうと思っていること。
・集中の仕方について (以前書いたときより進歩したので)
・最初の就職の後の話。