ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

がんになりました(すい臓がん ステージ4)

年末はバタバタしていました。内藤です。

久しぶりに更新します。

 

タイトルに書いたように、この1か月くらいですい臓がん(ステージ4)が判明しました。48歳男性会社勤め。妻子。子供は1人いて5歳です。

 

自分と同じような人に役立つようにいろいろ気づいたことを書いておきます。

 

ステージとは

がんは進行状況をステージ(0~4)で表現します。ステージ4というのは手術不能で進行した状態です。すい臓がんでは、一般的には余命12か月ほどか、もっと短いようです。

 

すい臓(膵臓)の機能

すい臓というのは、地味な臓器なんですが、体内では重要な臓器でして、消化をつかさどる消化液を出す機能と、血糖値を下げるインシュリンを出す機能があります。

 

すい臓がんについて

治療が難しい難治のがんです。スティーブ・ジョブズもそれでなくなりましたね。一般的な健康診断ではほぼわからず、かなり進行して症状が出てから見つかります。私の場合は急性膵炎で入院してわかりました。すい臓がんは見つかった時には半数がステージ4と言われていますし、ステージ2までで手術できても5年生存率は30%以下。私のようなステージ4では1年生存率も30%以下のようです。

 

すい臓がんの治療法

すい臓がんの治療法はステージによって異なりますが、がんの一般的な治療は、まずは切除できるかどうか、です。切除できないところまで広がっている、転移しているとなると切除不能となるため、放射線療法や化学療法などになります。私の場合は、すでに肝臓に小さな転移、腹膜への転移があるため、化学療法でがんが縮小すれば寿命が少し伸びるのを期待するということになります。とはいえ、あと半年のところが1年になるか1年半になればいいね、というようなところです。

 

すい臓がんが見つかった経緯

今年の11月中旬くらいからお腹が痛くなりまして、今から分かるのは肺の下、みぞおちやその横くらいが、激痛じゃないんだけど、いやーな痛みが続きました。姿勢を変えると痛みが変わるというもので、これはすい炎特有のようです。そのときは分かりませんでしたが。いったんは朝方くらいには収まるんですが、午後からまた痛くなってくるというのを数日くり返していて、おかしいなと思い、会社近くのクリニックへ。そこではわからず様子見ましょうとなったんですね。盲腸などと違ってわかりにくいんですね。

 

だから急性すい炎については、診断と治療はそれなりに大きな病院に行った方が良いです。血中アミラーゼの測定や、造影CTができるところ。近場のクリニックではまず無理です。とはいえ、そこのクリニックですい炎が判明しても現在の状況は変わらないので、何とも思っていません。

 

それで翌日も変わらず痛く、動けたので大きな病院の夜間外来へ行って急性すい炎が判明します。そのまま入院となりました。

 

ひどく進行していたわけではないので(進行していたらICU)、絶飲食を中心とした治療になり、並行して原因の調査となりました。

 

その調査で、すい臓に腫瘍があるとわかりました。この腫瘍ががんなのか、どういうがんなのかについては、確定診断のために、超音波内視鏡による検査、内視鏡で穿刺して細胞診などを行いました。確定診断は細胞診の結果を待ち、12月の上旬に、すい臓がんステージ4が確定しました。

 

すい臓がんが見つかってショックだったか

実は思ったほどショックではなかったのです。急性すい炎で入院して数日。CTやMRIで腫瘍があると知らされまして、その時の担当の医師は非常に暗い顔をしているんですね。もともと医療関係の情報が好きですい臓がんについても知っていたので、自分がり患しているのは「ヤバイやつ」というのがわかりました。余命言われるタイプのものだろうと覚悟したのです。これはもうどうしようもないやつだろうなと。

 

それで、まず思ったのは、「今生ではここまでか」ということでした。私は100%信じているわけではないのですが、輪廻転生的な考え方をしています。なんか苦労があったら、カルマとは言いませんが、前世からの宿題だなあとか思うことにしていましたし、今、48ですが努力するのも来世楽だからと思うことにしています。そうすると、なんか気がラクだし、捨て鉢にならない、何事も自分の問題として引き受けて考えやすいからなんです。ただ、この考え方は少し危険で、他人に対して言うと差別になるので注意が必要です。かわいそうな状況、人権的に侵害されている状況に対しても彼らは前世で悪いことをしたからだと考えるのは良い考え方ではありません。あくまで自分のことに関してだけ考えるのです。

 

ちょうど今、このブログで就職の話を書いてしますが、私は最終的に自分のやりたい仕事の大手企業にいて、いろいろ工夫して自分のプロジェクトを進めていて、それに2千万円くらい予算付けてもらっていました。仕事的には干された時期もあるものの、理解されつつあり、いい感じだったんですね。また、遅くなりましたが40歳で結婚し数年後子供も生まれました。今5歳で可愛い盛りです。

 

私の人生がここまでということはショックながら受け止めることができました。「そうか、こうくるか」と。私の人生にはいろいろなことが起きました。人生で起きたことはすべて引き受けるしかありません。それが人生で学んだことです。出されたご飯は全部食べるのです。

 

ただ、私は育つ家庭であまり父がいないのと同様な環境で育ち、いろいろ教えてくれる父だったらよかったなあと思っていて、自分の息子には大人になるまで適切にガイドしてやりたいと思っていたんですね。でも息子が小学生になるまで見れるかどうかという状況になり、悲しくなりました。また妻とも協力してやってきていて、自分が抜けることになってしまう、ということはツライなと思ったのです。

 

死は受け入れることができますが、別れというのはつらいなあというのが強く感じたことです。

 

確定診断へ

急性すい炎の退院後、細胞診の結果が出たあたりで、診断を聞きに行き、すい臓がんが確定します。余命は一般的には12か月くらい。妻と二人で話を聞きに行き、事前に話しておきましたがショックながら受け止めてくれたようです。これが12月の中旬。今から3週間くらい前です。

 

転院へ

その病院も悪くはない有名病院でしたが、難治のすい臓がんの場合、より専門性の高い病院が良いため紹介していただきました。素早く手配していただき、翌日朝には専門病院外来へ。そちらでも最速で検査していただきました。まずは切除可能かの検査となりましたが、午後には切除不能と判明しました。肝臓への転移、腹膜への転移があるためです。それでステージ4として治療の可能性を午後探ることになりました。

 

午後には担当の先生と話しますが、暗い顔しかしません。転移しているので、治療が難しいのです。医師のいう「難しい」は技術者の言う「難しい」と同じで、事実上不可能、の意味です。頑張ればなんとかなる意味ではないんですね。

 

ただ、まあ、先進医療でやっているところがあるからと紹介いただき、翌々日には別な大学病院へ行くことになり、そこで化学療法を受けることになりました。年明けから入院します。この治療は効けばラッキーです。何もしなければ半年くらいのようです。個人的にはいろいろな後始末ができればいいなとか、息子が小学校上がるところまで見たいとか思います(その後父なしにしてしまうのはつらい)。

 

がんの進行

がんというのはどんどん成長します。そして成長する過程でその臓器が機能しなくなるんですね。それによる身体の不具合が出て、死に至ります。すい臓がんの場合、すい臓機能がダメになるとか、腫瘍が大きくなって腸閉塞を起こしたりなどです。また転移したがんでほかの臓器の不全を起こすというのもあるでしょう。

 

だから今、ブログを書いて比較的元気(といってもすい炎やすい臓がんのため、30分くらいしか立ったり起きたりしてはいられないし、お腹は痛い)ですが、有るタイミングで急速にいろいろな不具合が出て死に至るのでしょう。あまり長くない使える時間をフルに使いたいと思います。

 

終活へ

物は考えようです。交通事故なら終活とかなしに突然死でしょう。準備もなにもあったものじゃありません。余命がわかる。あと1年。もしかすると半年、3か月かもしれない。とはいえ、今すぐではないので、用意する時間が取れるんですね。これは悪いことではないんですよ。

 

というのも、人は必ず死ぬんです。いつか死ぬ。それがわかるので準備できるんですから、悪いことではないんですね。ただ、このタイミングかー、というのはあります。子供がもう少し大きくなるまでとか思うんですけど、でも、それが私の運命なんでしょう。別に不摂生したわけでもないし、たばこも吸わないし、酒も普段は飲まない。別に悪いことは何にもしていないんで、私が悪いわけではないんですよ。強く遺伝性でもないし、たまたまそういう身体だったということです。まあ、まだ48歳ですから、少しがんになるには早いですね。それはちょっと残念。もっと結婚とか子供が生まれるのが早ければ成人まで面倒見れたんですが、まあ仕方ない。人生遠回りましたから。遠回りした割に、終わるのが少し早かった感じですね。これが40ならちょっと悔しいし、30なら悲しいでしょうが、48で、それなりにいろいろ頑張ってやってこれたので、個人的にはめちゃくちゃ悔しいという感じではないのが幸いでした。海外も見ましたしね。たくさん本も読んだ。自分の遠回りせざるを得ない問題に真剣に対応できたし。

 

繰り返しになりますが、悲しいのは、妻子と死に別れるということです。70とかならまあいいかなんですけど、ちょっと早いのがね。。息子とキャンプに行きたかったなあとか思います。いけるかもしれないけど。幸い、10月に息子と二人でキャンピングカーに一泊の旅行に行ったりしたので、思いついたときにやれることは全部やっておくのがいいと思います。だってこうやって突然、終わりが来ることがあるんですから。

 

ステージ4での治療に関する考え

こうやってがんになる前は、無理に延命する治療はどうかなあと思っていたんですが、ステージ4で化学治療して寿命を半年、1年と伸ばせるなら悪くないなと思うようになりました。というのも、がんが進行するといろいろ不具合出ますからね。それが少しでも遅らせられるなら悪いことではない。また、半年で死ぬより1年で死んだ方がいいかなと思います。ただ、奇跡が起こって治る!とかは思わないです。やはりそれだけ厳しい状況と受け止めています。終活するだけの自由と時間がもらえるなら悪くないなと。あと、代替療法には興味ないです。標準療法で十分です。一縷の望みってそれ宝くじですからね。宝くじが当たると思う人ですか?というのが分かれ目かと思います。

 

仕事について

すい臓がんの確定診断が出た段階で上司には話しました。人事とも話して、在宅勤務を組み合わせるなどいろいろ対応を取ってもらえそうです。そういう意味で大手でホワイトってのはとてもいい。仕事は今取り組んでいるプロジェクトはもう少し進めたいと思っています。ただ、それも今後の体調次第なんですが。

 

室内環境について

あまり長時間起きていられないので、リクライニングチェアで寝ながら仕事ができるよう、机と椅子を買い換えました。もうそれは確定診断後には発注。今までも結構いいオフィスチェア使ってましたが、廃棄。もうそれは人生で必要ないものになったんですね。あと半年、1年で死ぬと思えば考え方が変わります。自分に必要のないものはどんどん処分していきます。子供と妻にはいろいろとメッセージを残しておきたいなとかそういうのも始めました。自分の私物の処分も進めます。心が軽くなったのは、あー、これから服買わなきゃと考えなくていいな、と。今あるので今回の人生では十分だなと。

 

 

以上、がんになったというお話でした。

正月から明るい話ではないですが、役に立つ人もいるでしょう。

 

お腹いたいですが、今のところ生きています。