「いまさらやっても遅い」と耳でささやく悪魔
■よくある相談
コメント欄でよく相談を受けます。「引きこもってます、これからどうしたら良いでしょうと。不安で、行動しなければいけないのは分かってるんだけど、手がつかない。」と。
そういうとき、はっきりとは言わないんですが、「いまさらやっても遅い」とぐるぐると思ってるんだなと僕は思います。僕もそうだったし。
■失敗をどうすれば無かったことにできるか
悩みは、「もう出遅れた、失敗した、いまさらやっても遅い、どうすればいい? どうすれば無かったことにできる?」ということだと思います。
僕が毎回言うアドバイスは、「失敗してる。それは確定したこと。失敗は無かったことには出来ない。それを引き受けて前に進むしかない。」ということを毎回形を変えて言っているだけです。
■人生に練習はない。毎回本番という恐怖
こわいことに人生にリセットボタンはないんですね。そんなこと聞いてなかった。いや、正しくは、学校の先生がちゃんと言っていましたね。「社会に出たら大変だぞ」って。それはこういうことでもあり、リアルに受け止めることができていなかったんですね。
また、学校の授業とは違って人生に練習はないんです。すべてが毎回本番。成功させるための準備は自分で用意していないといけない。準備不足なんて言い訳は効かない。失敗したらその結果をすべて引き受けないといけないんです。厳しいですね。
■自分だけが躓いているということ
皆と同じにやってきたと思ったら、そうではなくて自分だけが失敗しているんですよね。周りはうまくやってる。準備もいつのまにかしていて。自分だけ準備不足で、失敗して、人生に躓いて、そこで止まってしまっている、ということだと思います。僕もそうだったし。
まあ、それは甘かったということです。僕も甘かった。人生がどうにかなると思っていたのですけど、自力でどうにかしないといけないのですね。これが人生の真実であって、そこは腹を括らないといけないのだと思います。
だから僕のアドバイスは「人生はそういうものだから腹を括ろう」ということを言っているだけです。
■人生では失敗は多くしないほうがいい
本読むと「人生に失敗はつきもの、成功者も数多くの失敗を重ねてきたけど成功した」って書いてあります。それも一面の真理なんですが、それは失敗してもダメじゃない、ということを教えてくれているだけです。
どういうことかというと、「人生では失敗は多くしないほうがいい」というのが真実だからです。実のところ、皆それは知ってると思います。だから、失敗の受け止め方で、困るんだと思うんです。失敗が受け止められなくなるんですね。悩んでるのはそこだと思います。悩みって解決できない問題に直面している状態ですから。失敗したという事実とその重さが解決できないんですね。
■失敗してもそこで終わりじゃない。そこからいかに再起するか
大事なポイントは「人生で失敗はしないほうがいい。でも、失敗してもそこで終わりじゃない。そこからいかに再起するか」です。
■見通しがなくても前進する
では、再起のためにはどうすればいいか。人は見通しがないと前に進められないですから。とくに僕みたいに頭でっかちなタイプは。
余談ですが、いちおう言っておくと、人生で立ち直りやすいタイプは見通しが無くても前進するために努力できるタイプです。「迷ったら努力しろ、前へとりあえず進め、進むことで見えてくることがある」なんです。これは経験知です。
■人生で失敗する理由
なぜ見通しがなくても前進することで失敗からリカバリーできるのか? これを理解することは重要です。
失敗するということは、自分の中にどうすれば成功するか、どうすれば失敗するかというノウハウがないということです。成功している周りの人間は知っているんですよ。自分は知らないのです。ここが大事です。
■成功と失敗のノウハウの獲得が解決策
失敗するのはノウハウの不足です。そのように理解すれば、迷ったら努力すると解決する理由が分かると思います。努力するうちに、何で失敗したか、どうすれば成功するかが具体的なノウハウで得られるんです。そうすると見通しが出てきて、失敗からリカバリーできるようになるんです。
■人生を生きるのは技術力の問題
人生を生きるのはエンジニアリングのカタマリです。
技術(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%80%E8%A1%93
ノウハウものなんですよ。人生を登山や将棋に例えた本が響くのは、人生のプレイは、うまくやるためのハウツーと知見の勝負であり、技術力の問題なんです。
■人生では準備がモノを言う
そして、人生がノウハウものと分かれば、必要なのは準備です。いかに、どれだけ周到に準備を積み重ねるかです。準備に時間とエネルギーを割けるかです。
そんな時間がない?エネルギーもない?それなら人生は負けると覚悟することです。
うまくやるためには、どんなに忙しかろうと準備のための時間を捻出することです。必須ですから。失敗からリカバリーするためにも、準備のための時間を捻出することです。必須なのです。
逆に言えば、準備すれば勝てるんですね。むしろ、そのように考えれば納得がいきやすい。人生は準備不足で失敗する。だから準備する。それだけのことなんです。だから、人生に躓いて、失敗した地点でぐだぐだとしていてはいけないんです。
そこでこの話の最初に戻ります。
■「いまさらやっても遅い」と耳でささやく悪魔
僕は今もまだ悩まされていますが、自分の頭の中には「いまさらやっても遅い」とすぐに言い出すもう一人の自分がいます。朝寝坊したら出てくるし、休みの日に何も出来なくても出てきます。運動不足だなあと思っていても出てきます。浪人してるころも、受験浪人中も毎日毎時出てきました。
こいつは悪魔なんですよ。人生は準備すれば勝てるんです。いまさらやっても遅いというのはウソなんです。人生は気づいた瞬間から努力し始めればそこからリカバリーが出来るんです。この悪魔の言うことを聞いてはいけないんです。
だから、「いまさらやっても遅い」という悪魔のささやきは封じて、今すぐ努力をし始めることなんです。現状を受け入れて、そこから前進を再開する。ノウハウの獲得に勤しんで、次は成功させるんです。 それが僕の言いたいことであり、タイトルにつけたのもそういう理由です。
■「いまさらやっても遅い」悪魔の封じ方
「いまさらやっても遅い」悪魔の封じ方ですが、一つは「感謝」という方法があります。いろいろなことに感謝しよう、てのがありますね。ありがとう、と言おうとか。宗教チックですが。僕も「感謝」派ですね。人生変わりましたから。
感謝するというのは、「自分の意に沿わない出来事に感謝しよう」「自分の嫌いな人に感謝しよう」てことです。
なんで感謝?逆に怒りでしょ?と思うでしょうけどね。要は「今の現状を受け入れろ」ってことです。失敗した現状、意に沿わないことが起きている事態を受け入れろ、ということです。怒りは否定ですから、受け入れないってことです。感謝と怒りは真逆の方向なんですね。
■リカバリーするためには現状を受け入れるところから始めないといけない
前進するためには、失敗した現状を受け入れないといけないのです。これは、当たり前に見えて、実はそうでもないんです。僕もそうでしたけど、今までの失敗をなかったことにして努力し始める人っているでしょ? それで繰り返し失敗する。多浪する人はこれです。僕もそうだったので分かります。
繰り返し同じ失敗をする人は失敗した現状を受け入れず、失敗するパターンの努力を繰り返しているんですよ。失敗から何にも学んでない。失敗はノウハウの不足です。それが分からず、必要なノウハウを獲得しないで、自分の手持ちの失敗するための方法をもう一回繰り返しただけなんです。時間の無駄ですね。多浪する人はこの症状です。
だからこそ、失敗したら、自分にはノウハウが足りないと教えてくれてありがとうと感謝するんです。感謝することで学ぶ姿勢がスタートするんですね。怒っていると現状否定なので、自分のノウハウは正しいと思いつづけるということなんですよ。そうするとまた失敗します。
失敗からリカバリーするときに必要なのは、自分のノウハウの更新なんです。間違ってるノウハウは捨てないといけない。そのために感謝して現状を受け入れて自分を更新していかないといけないのです。
感謝するというのはそういうことなのだと僕は思っています。だから、少しでもうまく行かないときは「感謝」を唱えるんですね。素直な気持ちで失敗から学ぶのは「感謝」という方法が一番簡単で、一番効果的だと思います。ま、だまされたと思ってやってみてくださいな。
■失敗は多くしないほうがいい理由
ちなみに、失敗は多くしないほうがいい、というのも真実です。野球とかサッカーとかああいうゲームで考えればわかりやすいんですが、あんまり相手チームに点を入れられると逆転しにくくなるということです。もちろん、失敗を上回るだけ点を取り返せばいいんですが、一般的に言えば。
あと、山登りで例えると、あまり道を逸れて遠回りしてると時間を食いますから、人生の期間は有限ですから、どこまでいけるかの到達点が低くなってしまうということです。それゆえに、なるべく早めにノウハウを獲得して、あんまり失敗しないように、成功しやすいように努力するのがいいんですね。
■最後に。人生は勝ち負けじゃないです。
上の文章の中で、勝ち負けを言っていますが、もちろん人生は「勝ち負け」じゃないですよ。たとえです。本当は勝ちも負けもありません。要は生き辛さを無くす=勝ち、てことです。
そんな話でした。教訓臭くてアレですが。