ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

将来のことは緻密に考えない。現在自分は何でオカネが稼げるのか

ビジネス本マニアックス内藤です。

今年40歳になって、約30歳初めての就職から10年が経過した。今も大変だったりもあるけど、楽しい。あれこれ考えて工夫して読みが当たると楽しい。世の中ってこういう仕組みか!とか。

この10年を思い返すと、無意識に意識していたことがいくつかあって、それがいろいろ役立ったなあと思うことがあったので、それを書いてみる。
無意識だから今まで書いていなかったので。

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■将来のことは緻密に考えない


僕は30歳未経験で就職しようとしていた。これは要は、『世の中に出るのが出遅れている状態』なんだと思う。


自分は出遅れただけなんだ、って認識を持っておくことが大事だと思う。「出遅れた、もうダメだ」じゃなくて。


当時から、その後も長い間、どうやってこの周回遅れを取り戻すか、が悩みだった。そもそも最初は、今から社会にどうやって参加させてもらうか、というのが悩みだった。


例えると、大縄跳びでお入んなさいと言われて立ちすくんでいる感じ。みんなポンポン入って飛んでいるわけで、僕はできないよどうしよう、と悩んでいた感じだった。今さら入り方を教えてもらえないし。


こういうときって、「僕は教えてもらっていない」「僕になんか出来ないよ」「入れないでいるのが恥ずかしい」と思うのは当然の心理だと思う。僕も当時思った。


だからといって引きこもっていたらお金稼げないし、食べていけない。とりあえず、どこが働いて何がしかのお金を稼いで食べないといけない。


社会というのもが体育大会のようなものだとすれば、とりあえず大縄跳びでも入って飛んでいかないといけない。しょぼくても少しでも自分に出来そうな競技(仕事)から参加させてもらうことだと思う。


世の中に出遅れているんだから、とりあえず世の中に参加させてもらうためには、自分に出来そうな仕事から参加させてもらうしかない。それがどんなにショボそうに見える仕事でも。


そういうと、「そんなショボイ仕事についても将来が真っ暗だ」って思うよね。僕も思ったけど。


「ショボイ仕事についても将来は真っ暗」なんて考えたってしょうがないんだよね。未来なんてわかんないんだから。大事なのは今の仕事にありつくこと。社会に潜り込むことだと思う。


ここでここの見出しに戻るけど「将来のことは緻密に考えない」ということが大事だと思う。僕も緻密に考えるのを辞めた。なんとなく良くなる良くなると思うことにしていた。


だって、もはや周回遅れなんだから。普通に考えればその周回遅れは埋まらないし、後発だからどんどん遅れは拡大する。緻密に考えれば考えるほど、もう絶望しかない。夢も希望もない。一生、このつまらない仕事で下働きか、みたいな。


でも、違う。後から書くけど、将来は変わる。ダメでいるときの将来予想なんて何の意味もない。


まずは周回遅れの自分を受け入れてしまうこと。周回遅れや出遅れはなかったことにはできないから。


下手な将来予想ってのは、どうせ、同級生とかのうまく行った奴と自分を比べたり、本とかテレビに出てた同じ年くらいの奴と比較して絶望しているんだよね。


今だから言えるけど、そういう成功している人と自分を比較しても落ち込むばかりで、何の役にも立たない。そういう「うまくいっている人」というのは、僕らには見えないところで昔から陰ながら努力して勝ち抜いているんだよね。その努力をしていない僕らが、その差を嘆いて何になる、ということ。また、そういう成功している彼らの真似も意味がない。例えば、その成功している同級生みたいに良い会社に入ることなんて絶対出来ないんだから。


同級生のうまく行った奴なんかと自分を比較して嘆くのは間違いで、その手の将来予想なんかして絶望している暇があったら、どんなショボイ仕事でも得て、とっとと社会に潜り込め、と言いたい。



でも、世の中の人は「ちゃんと将来のことを考えろ」って言う。僕は、そういうことを言う人は人生を良く分かっていないでなんとなく正しそうなフレーズを何も考えずに言っているだけだと思う。それは僕の感覚では正しくない。「将来」のことを考えるより、「現在」を考えたほうがよくて、緻密に考えるべきは、「現在自分は何でオカネが稼げるのか」ということ。というわけで次へ。



■現在自分は何でオカネが稼げるのか


将来のことは緻密に考えないという話を書いたけれども、緻密に考えるべきは、現在自分は何でオカネが稼げるのか、なんだと思う。この「オカネを稼ぐ能力」が大事で、これを「スキル」と僕は個人的に考えている。食べていくという観点で考えると、オカネを稼げない「スキル」は考えてもしようがないと思っているから。食べて行くからには、常に「オカネが稼げるか」という視点が大事だと思う。せちがらいかもしれないけど、世の中の仕組みだからしょーがない。そこは戦うところじゃないから。


少し発展的な話をすると、誰からオカネを貰うか、が商売に繋がる。この能力は誰からオカネをもらえるか?ということまで考えておくと転職や起業に繋がるんだけど、とりあえずはドコかで雇ってもらわないといけないので、世の中で何か会社経営している社長に雇ってもらう(社長からオカネを貰う)ということで考える。



■仕事を通じてスキル=自信を集め続ける


僕の場合、最初のアルバイトがマクドナルドだった。20歳くらいだったと思う。そのころ大学3浪のころで、これも雇ってもらえてありがたかった。


そこのアルバイトで一生懸命仕事を覚えて出来るようになり、トレイニーからクルー(マクドナルドのアルバイトのランク)になり、Aクルーというランクをもらった。別にこれは世の中的にもマクドナルドの中でも普通であって、すごいものでもなんでもないんだけれど、僕は小さな自信をつけた。雇ってもらって働いて能力を認められたという小さな自信だ。僕の中ではスゴイというものね。


このときの自信の中身は、「僕はマクドナルドの店のオープンやオペレーションがクルーのレベルで出来る」ということ。このことはその後かなり長い間、心の中に大切に持っていた。いざとなったら僕はマクドナルドのこの仕事はできるんだ、という小さな自信。つまらないかもしれないけど、僕は大事だと思ってる。その後もこういう小さな自信を集め続けたし、大切にした。


その翌年、東京で新聞配達をすることになる。これも雇ってもらえたのがありがたかったのだけど、この仕事は当時の僕には大変だった。でもこれも一生懸命覚えて、身体を慣らして、出来るようになった。結局、病気をして途中で辞めることになってしまったけれど、僕の中には「新聞配達が出来る」というのが自信として残った。いざとなったら新聞配達をして食べていこうと、その後ずっと思っていた。実は今も思っている。


その後、5浪して大学に入るが、3年目からアルバイトをするのだけど、最初がコンビニのバイトだった。当時は対人恐怖があって人と向き合うのが震えてしまうというのがあったのだけど、それを克服しつつ、検品やレジ、品だしなど出来るようになり「コンビニのアルバイトが出来る」という自信をつけた。


このあたりから自信が溜まってきて、こうした自信の種を集めるようになる。コンビニのアルバイトが出来るようになったので、カラオケ屋の店員になり、ここでも接客から簡易調理まで短期間に出来るようになり、「カラオケ屋のバイトが出来る」という自信をつけ、カフェのウエイターに移り、こちらは少々苦労したが「ウエイターが出来る」という自信をつけることが出来た。


こういうアルバイトが出来るというのは、就職の面接で使えるようなものではないし、世間的には評価されない。でも、そんなこと関係ない。この僕が集めた「自信」は食べていくことが出来るものなのだ。お金を貰った実績があるのだから。そこがポイント高い。自分の中の選択肢が広がっていっているんだよね。もちろんバラ色の選択肢ではなくて、地味なアルバイトの選択肢だけど、何もないよりは良いと思う。


僕は、この地味な、オカネを貰うことができるスキル集め、自信集めがすごく大事と思ってる。何しろ具体だから。よく、テレビでニートさんがインタビューに答えているのがあって「やろうと思えばできますよ」みたいな根拠のない自信を言うのがあるじゃない。やらないだけだ、みたいな。でも実際のところ、働くというのは手技的なところが多くて、こういう具体に根ざした自信がないとオカネにならないと思うんだよね。


結局、その後もこうした、オカネがもらえるスキル集め、自信集めを僕は続けた。30歳で初就職して6年弱勤めた輸入商社でも、その業界の輸入商社マンとしての自信を得た。この輸入商社マンとしての自信は、この仕事は今でも出来るし、オカネにも出来ると思ってる。英語もさらに練習しているし、知識も忘れていないし、仕事の手順、注意すべき点も身体に叩き込んである。先日もそのときに付き合いのあった小さな海外メーカーからメールがあって部品を買ってくれと頼まれたので、すぐに日本の会社に見積もりを取って先方に見積もりを出した。こういうのが難なく出来る。自信があるというのはこういうことだと思う。



■スキル化するときのコツ 言語化・図式化


ひとつ大事なことを思い出した。何年経っても使えるスキルにしておくためにやっておいたほうが良いことがある。


仕事を覚えるときに、それぞれの仕事の要点、注意点、フローなどは文書化してまとめておくことが大事言語化、図式化しておくことで、常に参照できるスキルになる。


なんとなくやってると何年か離れるとわかんなくなると思う。特に何となくうまくこなせてしまうのは怖い。再現性がなくなる。


僕は最初毎回学ぶのに手間取るので、最初の時点でメモを取りまくり、図式化したり要点をまとめてしっかりと覚えなおしている。だから何年経っても使えるのだと思う。これもちょっと大事なコツだと思う。




■得たいスキルへ向かって少しずつ進む


前項のスキル集めで分かるように、僕は一つスキルを集めたら次へ進んでいた。一つの仕事の中でも、その中のミニスキルみたいなのを一個一個身に付けていくようにしていた。そのとき、少しずつ得たいスキルへ向かって少しずつ進んでいった。


よく、自分の就きたい仕事に就けないんです、みたいな悩みがあるけど、たいていは一足飛びに望む仕事に就きたいというものなんだよね。もちろん新卒カードを使って、うまくいけばそうなるかもしれないけど、そうじゃなかった場合、自分の就きたい仕事が手軽な仕事でない限り、すぐには就けないと思う。


じゃあどうするか、と。少しずつ近づいていけばいいと思うのね。僕がコンビニ⇒カラオケ⇒ウエイターみたいに。接客つながり、とか。そうすれば自分の中でも段階的に進めることが出来るし。今、ネットの企画とか集客の仕事が多いけど、それだって、商社営業⇒IT営業⇒IT営業⇒IT運営⇒企画みたいに、段階的に動いてる。



■不確実なことをやる


僕は1.2度ドロップアウトしてるので、周回遅れなんだけど、この遅れを挽回しようとすれば、確実な手ばかり打っていたら無理なんだよね。だからといって、メチャクチャなバクチを推奨するわけではないんだけど。ただ、挽回しようとすれば、失敗する可能性があるけど、どうなるか分からない不確実な選択肢をときどき選ぶ必要があるよ、という話。まあ、別に挽回しようと思わないなら確実な手を選んでいくのがいいと思う。また、不確実な選択肢といっても、変なのも多いから、自分で独自に調査研究して自分の読みに賭けるみたいなのが必要になると思う。



■身なりを良くし、教養をつける


自分のレベルを上げ、仕事のレベルを上げてくると、たぶん、周りも変わってくると思う。経験的にはそう。


例えば、自分の周りの人の学歴が上がってくる。周りの人の服装も良くなる。見た目かっこいい人が多くなる。頭の良い人が多くなる。


こういうのは、周りになじんでいくのが大事だと僕は思う。回りの環境の変化に合わせて自分自身の身なりを良くし、教養を身に付けていくことも、結構大事だなーと思う。僕は服装なんかもかなり変えてる。

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以上、こんな感じで書いてみたのだけど、何かの役に立てば嬉しいです。


最近、本ブログのコメント欄でいろいろ質問されたり相談されたりすることが多いです。
僕ならこう考えると、割合と率直に書いています。
何か質問や相談のあるかたはお気軽に。僕もいろいろ考えさせられて勉強になります。