ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

新人営業マン向けの質問力育成テクニック

ゴブサタです。バタバタしておりました。いやー、まあ、いろいろあります。


先日、若いコにクライアント先に行ったときに質問するために必要なことをレクチャーしていたのですけど、それについてまとめておこうかと。


というのも、ウチに来る営業の人もいて、そうした人の相手をしていて思うのは、質問力が新人は弱いなあと。質問すらできない人は、もちろん仕事が出来ないのですけど、他方、質問するものの、その意図が見えないのも素人くさいなあと。そういうのを回避するための質問力育成テクニックです。


●そもそも営業は何のために客先に行っているのか?

商品やサービスを必要としているところに売るため


●そこにおいて質問とは何か?

質問とは、必要としているかどうかの見極めるためであり、質問により何を必要としているかを明確にして、お客さんに最適な商品やサービスを見極めるためです。


つまり商品のアドバイザーとしての機能を果たすためです。


たぶん、良く出来た会社なら質問チャートなど用意してあって、どういうケースで自社のどの商品やサービスがオススメか分かるようにしているところも多いと思います。そういうチャートがないところもあるでしょう。


でも、会社が用意していても、質問チャートは必ず自分で作るべきです。初めから無ければすべて自分で用意します。これが出来る営業になるポイントです。お仕着せのチャートでは他と差がつきません


●質問は必ずソリューションとセット

質問は、必ずソリューション(オススメする商品やサービス)とセットにします。ソリューションのない質問はしてはいけないのです。質問とソリューションがセットになっていないから質問の意図が見えなくて素人くさくなるのです。


つまり、Aで困っている? YES → ウチではX商品がオススメです


というわけです。イメージしにくければ、お医者さんの診断をイメージしてみてください。


熱がある 咳がでる → 風邪薬処方 みたいな(実際はこんな単純ではないですけど)。


ただ、こんな単調な診断チャートを持っているとお客さんも見透かします。お客さんに最適なソリューションの提示ではなくて、特定の決まった商品を売りつけたいだけなんだな、とか思われたりするわけです。


●複雑な診断チャートのほうが信頼される

つまり、1つの質問で簡単に1つのソリューションを出すのは単調すぎて素人くさいということです。


そもそも、そんな単純なケースばかりではないはずです。複数の判断要素を組み込んで、最適な答えが出るように作ります。お医者さんの診断イメージで言えば、


熱が出る 咳が出る 聴音器から異音 → 風邪ではなさそうだ、更なる検査 → 別な診断と処方


と進化していきます。



まあ、ここまでは目新しくないですが、新人の人は意識したほうが上達が早くなります。


ほとんどのソリューションだの提案だのは、こういう「質問→ソリューション」のバリエーションです


先輩はこの処方パターンを多く持っていて、その場でいろいろなソリューションを出せるだけなのです。逆に言えば、新人は、先輩の提案力とかいうものが、こういう処方パターンを多く持っていることと知ることですばやく上達が出来るというわけです。


では、今度は処方パターンの作り方です。



●オリジナル処方パターンの作り方

まず、紙に商品やサービスを中心に書きます。それぞれの商品やサービスごとに下記の項目を商品・サービスの周りに書いていきます。


・購入・利用で得られるメリット(出来る限り多く)
・購入・利用で得られる機能
・購入・利用してよかったと思えること(お客さんのせりふ)
・購入・利用前は不安だったが、購入・利用により解決したこと
・購入・利用前の懸念点で不要だったこと


こういうことを出来る限り情報を集めてまとめます。お客さんの生の声を収集することが大事です。上記のことは、既存顧客と会ったときに質問していってください。また、社内の資料や先輩から教えてもらったことなども書き加えます。


このポイントは、社内で作る比較表は作り手視点ですが、こちらは買い手視点で作るということです。買い手視点で作るからこそ、意味のあるソリューションになるわけなのです。これが自分で作らなければならない理由の一つです。


買い手が購入・利用後に得られた、メリット、機能、よかったと思えること、解決したこと、懸念で解消したこと、というのは、そのまま「症状の反対の状態」に該当するわけです。これらをひっくり返して、あるメリットが得られていない、ある機能が得られていない、あることで困っているということを質問にすれば、その商品・サービスの利用がソリューションになるわけです。つまり、ひっくり返せば、「質問→ソリューション」になるわけです。


あとは、複数の商品やサービスがある場合、商品間・サービス間のメリットの度合いとか、デメリットなども加味していけば、こちらの点を重視するなら、A商品ですけど、こちらがマストならB商品ですね、というような、割合と複雑な診断チャートを作ることが出来ます。


さらに、お客さんの懸念点、マイナーな満足した点なども網羅すると、お客さんの要望にいろいろと答えることが出来る営業に仕上がるというわけです。


ね? 簡単ですよね。


こういう風に、初めから、自分の処方パターンを沢山増やす、積み上げるという意識で営業の仕事をすると、かなり早い段階で提案力のある営業になれ、それは上記の質問力に裏打ちされているというわけです。どの質問もすべて意味のある質問となり、お客さんも信用してくれるようになります。


つまり、営業マンの質問力というのは、こういう意識一つで身につくものなのです。新人のかたは是非試してくださいな。


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