2004-09-09 「展示会の話(4)」 (9/11のメルマガのコラムです)
こんにちは。ビジネス本マニアックスの内藤です。
今週は「展示会」の話をしてますが、前回にしていない残りの話です。
さて。展示会開催社さんに乗せられてうっかり出展しないようにしましょう、という話でした。
出展するなら気合入れてお金かけないとダメです。しょぼいと、大手と比較されて、非常に不利になります。まあ逆に言えば、大手にとっては、製品発表会みたいなもんでお客さんは来てくれるし効率がいいんですけど。まあそれに大手だと、逆に中小を圧倒し差別化するためには、大きなブースを出すしかないんですけども。
とにかく展示会出展はお金がかかります。1ブースで、貧乏くさくやっても、カタログの準備とか搬入なんかを考えると50万円くらいはかかるでしょう。展示会のブースは毎回っては壊しています。だからお金がかかるとも言えるんですけど。内藤が見たアメリカの展示会だと、小さなブースは、再利用できる折りたたみ式の展示ブースを使ってますね。よくあるのが、カタログを貼り付けられるフエルト式の壁と椅子のセットになってるものとか。あれなら一回買えばずっと使えますね。あれを買って日本でも、と思うのですが、なかなか日本の場合は、業者にブースを作ってもらうを前提としていますので、あまり安くならないです。基本的なブース設営と、電源工事と床のカーペットが込みとかになってたりします。
展示会では、多くの装飾業者さんが、これまた激しい営業合戦をしているところでもあります。そういう業者さんがすごくいっぱいいるんですね。出展を決めると、「もう装飾はお決めになりましたか?」といろいろなところから電話がかかってきます。こういう仕組みになっていることもあって、出展を合理的に、とはならないようです。
それから、この展示会の集客は誰がやるのか?となると、展示会運営会社ではないんですね。出展する各社が、招待状をもらって(場合によっては買って)、お金をかけて、見込み客に送るんです。 いやあアホくさいですね。展示会運営会社は、皆が出展したくなるような「トレンディな」企画を作れば、うまくビジネスがいく、というビジネスで、とても面白いと思いますが、出すほうはたまらんですな。まあでも、展示会運営会社というのは、年中、人を募集してますな。ウチにも出展しませんかという営業電話がガンガン掛かってきますが、雇われてる側はたまらんのでしょう。
そうそう。忘れてしましたが、展示会出展で豪華なブース設営というのは、大手の見栄というのもありますが、もう一つありました。ベンチャーキャピタルとかからお金を集めてきている場合、投資家への説明用のために大きくてゴージャスで未来を謳った展示ブースを作ってることが多いです。
展示会にはお客さんだけでなく、銀行や投資家も来るんですね。ポイントはとにかくゴージャス。お金かけてます。お金が儲かってるように見えるんですね。出展費用は、まだ儲かっていないので、たいていは投資家のお金なんですけど(笑)。しかも、とにかく未来を謳う。これで時代を塗り替えていく!!みたいなノリになります。ロゴや写真もデザイナーに頼んでカッコよいものになっています。技術もいかに凄いか、ということが盛ん
に宣伝されます。まあ実際のところ、同業はそうかあ?と見てるんですけど。
数年前のアメリカの展示会では、ニューエコノミーに踊って、そういうゴージャスなブースがたくさんありました。そういうところは景品とかいっぱいくれるんですよねー(笑)。そういうブースは実際の製品はあんまりないことが多いです。ソフトウェアの業界で言えば、ペーパーウェアですかね。ソフトウェアなら、後は組むだけ、かもしれないんですけど、ハードウェアだと数年じゃ実現しないような技術ということもあります。それ
だと数年はお金が入ってこないわけで、結局ほとんどが淘汰されました。
まあ上記の事情もあって、展示会には銀行や投資家も来るので、大手の場合は、急に出店をやめたり、お金をケチったりは出来ないというのもあります。銀行とか取引先が、ース縮小したのを見て、経営が苦しいのかな、と思いますからね。そういう人たちにとっては、展示会=集客、と見ているので、展示会けちる=集客が減る=収益が先細り、と見えてしまうのですね。というわけで、ブームに乗じてどんどん毎年大きなブースを出していったものの、ブームが収まって収益が減ってきてもしばらくは痩せ我慢して、大きなブースを維持する、というのはよくある話です。でも、結局、収益が回復しないと大きなブースは維持できないんですけども。大きなブースだからといって、収益が増えるわけではないんですね。かといって、ブースを小さくすると会社の経営の将来性を疑われる、と。非常に厳しい状況になります。
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