ビジネス本マニアックス

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「経験」のコトバの使い方で分かる仕事が得られる人得られない人

「経験」のコトバの使い方で分かる仕事が得られる人得られない人


「○○できる人、できない人」式の嫌らしい題をつけてみましたが、ホント強調したいので、書きます。


「(仕事の)経験」というコトバの使い方を見ると、その人が仕事が出来るか、仕事が得られにくいタイプか分かるのではないかと思うようになりました。一面的かもしれません。


■会社側の言う「経験がある」という意味

会社側(採用側)が言う、「経験者」「経験がある」というのは、普通は、その募集している仕事が最初から一人で出来る、仕切れるレベルを言うんです。僕はそう理解しています。


もちろん、その会社特有の仕組みに関してレクチャーはありますが、「経験者」に求めるのは、その職や分野に関するコアな知識の保有であり、その分野のエキスパートであることです。


だから、その会社特有のことを知ってもらったら、あとはお任せするつもりくらいでいるはずです。育てるつもりではなく、むしろ、お任せしたい、助けて欲しいということなのです。そうでなければ、経験者を中途採用しません。


つまり、「経験者」として入社するということは、その分野に関してすべて知っていて、何でも来い、自信を持って俺が答えを出す、というレベルの話なのです。


だからこそ、「経験」は転職のカギになるわけです。また、小さい会社から大手企業に行けないのは、エキスパートたる経験が期待できないからです。


■仕事が得にくい人の「経験」の理解のズレ

ここらへんが、仕事が得にくい人は理解がずれているような気がします。ちょっとやったことがある、とか、数年やったことがある程度は「経験」とは言わないんです。アルバイトを職歴と言わないのはそういう理由からです。「いろんな会社を経験したんだけど。。」というのも採用側からは経験とは言わないんです。「行ったことがある」というだけなのです。


教えないで初めからエキスパートとして活躍できるような、そんな人材いるのかよ?と思われるかもしれません。確かに多くはないのです。でも、います。そうやって人材を補強するのが、特に今の大手企業です。


もちろん初めからエキスパートになれる人は多くはありません。世の中で多くの会社が「未経験者可・経験者優遇」と募集するのは、エキスパートが少ないからです。その意味するところは、その分野のエキスパートでなくても、学んでエキスパートになってくれればいいよ、というのがそれです。その代わり、他の分野のエキスパートであるなど、エキスパートになれる素質を見せる必要があります。


どちらにせよ、会社側が「経験者」に期待するのは、エキスパートとしての活躍です。その分野、仕事を丸々お任せできる人が欲しいのです。丸々お任せできないような人は欲しくないのです。


■理解のズレは立場の違いから。アウトプットとインプット基準

会社側は「経験」を「エキスパート」と理解し、仕事が得られにくい人は「経験」を「したことがある」と理解していることが多いように見られる理由なのですが、これは立場の違いだと僕は思っています。


会社というのは、世の中に商品やサービスを提供する側なのです。それゆえ、常に自社で商品やサービスを提供できるかどうかで考えるのです。


ヒットしている商品があれば、それを見たときにメーカーの会社なら、自社で作れるかどうかを考えます。商品としての品質を持ってアウトプットできるかどうかで考えます。それが提供側の考え方です。仕事仲間にも、経験分野については、エキスパートとしての能力を求めるということなのです。


素人の作った商品なんて要らないですよね? 素人レベルのアウトプットする能力は「経験」とは呼ばないんです。そう考えるとわかりやすいと思います。必要なのは「売り物」になるレベルなのです。常に商品としてのアウトプットが基準です


他方、仕事を得られにくいタイプの人は、消費者感覚が抜けていないんです。商品やサービスを利用する側で見ています。だから、行ったことがある、食べたことがある、見たことがある、といったレベルを「経験」と言ってしまうわけです。つまり、自分の能力をアウトプットではなく、インプットを基準としてみてしまいます


別な例えをすると、仕事を得られにくいタイプの人の「経験」の基準が、学校の授業でいうならば、受講しました、ということですね。会社側が求めているのは、授業できます、なんです。


どっちが正しいかということはないんですが、採用側が言う「経験」を理解しようとするならば、会社側のモノの見方は、常に供給側で考えることが大事です。消費者の感覚では捉えないことです。


■どうすれば「経験者」になれるのか


「経験」がエキスパートを指すとして、未経験であり続ける俺たちはどうすれば?というのは当然の疑問だと思います。


アルバイトでも、派遣でも、正社員だろうと、何でもいいんですが、とりあえず仕事に就きます。そのときに、その仕事に関して知らないことがないくらいまでマスターするようにすることがエキスパートになる最良の道なんです


周りから教えてもらえる限り教えてもらう。資料は過去何年分も読みまくる。今日学んだ内容はノートにまとめて整理して明日までに覚える。疑問点はメモして必ず調べて解決する。今の仕事をもっと正確にスピーディにやる方法を考えて取り組む。半年で10-20%くらいはスピードアップしていく。俺に聞けば何でも分かるというところまで学び経験していくことです。イレギュラーなことが起きれば大歓迎で、これでこんな事例も出来るようになったと喜ぶ。


先ほどの学校の例えで言うと、授業を受けて何とか及第しているレベルではなく、学校の先生になってしまうことを目指してしまうということです。


そして、俺はこの仕事は適当でいいんだ、と思わないことです。就いた仕事すべてに全力投球してエキスパートになっていく。そうすることで、コイツには別な仕事を振って別なエキスパートにならせてみよう、と仕事が回ってきます。


■終わりに


もちろん、これは、マッチョな生き方ですから、こうすべき、ということはないのです。


ただ、世の中で第一線で働いている人は、何となく出来るようにはなっていないんです。教えてもらうのを待つまでもなく、自分から貪欲に吸収していって、出来るようになっているんです。


また、この分野に関して俺は何でも知ってると思えるために、関係する分野の本を数十冊、周辺分野も含めて数百冊は読むんです。そこから気づきもあるし、これだけ読んでいることで自信がつくんです。本というのは、世の中の水準を知るために使えるのです。日本語の本が出ていなければ英語の本もチェックする必要がありますし、本が出ていない先端分野はカンファランスに出る必要がありますが、それらをすることで自信を持って答えることができるようになるのです。


未経験から経験者になることは出来ます。エキスパートになろうという強い意識と努力です。不可能ではないのです。