■
懐かしい本。内藤は10年と少し前に文庫化されたこの本を読み、猛烈に感動したのを覚えている。氏の舌鋒は鋭く、論理は明快で、鮮やかに問題を料理して見せた。氏の活躍で日本で戦略系コンサルティングが活動する下地を作ったと内藤は思う。当時、企業経営者を含め、読んだ皆が鮮烈な印象を受けた。もし読んでいないならぜひ読んで、この衝撃を味わってほしい。
ただまあ内容的には掲載されている手法は古くなってきているので使えない部分も多い。物事を良く学んでくると氏の強引な論理も見えてくる。でもそれはあまり大した問題ではない。
複雑な現象を、その事象をもっとも特徴的にコントロールしている1,2のパラメーターを鋭く見抜いて抜き出し、そのパラメーターによる函数として事象をコントロールして見せるコンサルティングの技に感動すべきなのだ。そうした職人技の凄さを見せてくれる良い本。類書に「ストラテジックマインド」がある。内容的には重複する。どちらを読んでも良い。
マッキンゼー退社後の氏の著作は内藤としては?がつくことが多いが、これは氏を有名にした出世作であり、文庫ということもありぜひ読んでもらいたい一冊。正・続の文庫もあり。