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前回紹介した、藤原氏による「リクルートという奇跡」と対をなす本である。こちらは創業者であり経営者としての視点からリクルート社を描いている。
この本は、前述の藤原氏の本を意識しながら読んでいくと、経営者特有の視点が見えてきてとてもエキサイティングだ。また、事業に関しての追加的情報もあり、多面的にリクルートを捉えるのに役立つ。ただ、逆にこちらを先に読んだのでは物足りないような気がする。そういうわけで内藤は、まず「リクルートという奇跡」を読み、次に「かもめが翔んだ日」を読むと良いと、この順序で紹介していたりするのだ。
後半はこちらもリクルート事件以降の話であるが、当時は外部に語れなかった事情が語られていて、今まで言いたいのを我慢していたんだなあと内藤は思った。経営者というのは、従業員と違って、やーめたと簡単にやめるわけにはいかないので大変だなあと思うのだ。
ちなみに、内藤はほかにもリクルート出身者による本を読んでいたりするため、リクルート=猛烈営業、というイメージが出来上がってしまっているが、江副氏の話を読む限り、氏は創業期にトップセールスであったが猛烈営業マンでないことがわかり、内藤としては勇気付けられたりした。内藤は、もはや猛烈営業の時代でもないだろ、という構想のもとに今の仕事をしているからだ。社会の成長期には猛烈営業が有効であっても、成熟期にはもっと営業方法は多様化すると内藤は考えているからだ。それについては別の機会に書いてみたい。
というわけで、リクルートについて知りたければ、「リクルートという奇跡」と合わせて必読の本といえる。ぜひともおすすめです。