ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

 この本は、中小企業においてマーケティング戦略を立案するのに役立つ本である。どのように発想していって構築すれば良いかが丁寧に分かりやすくマニュアル化されている優れた本。
 まあ、「戦略」と書いてあるが、これは企業戦略というよりもマーケティング戦略である。そのため、ある商品(群)のマーケティング戦略に役立つ。小企業だとその商品群がすべてだったりするので、企業全体の戦略のほとんどを占めてしまったりするが、まあいちおうこれはマーケティング戦略である。
 いちおう適用可能条件を内藤なりにまとめてみると、次のような感じである。中小企業であり、新規開拓営業であること、マスマーケティングではないこと、コンシューマーにしろビジネスにしろ少数の顧客相手の営業であること、粘れば売れる商品ではないこと、商品にかなり個性があり特定の顧客には馬鹿受けするような商品であること、これに取り組む人間はマーケティングもやれる権限があること、深い商品知識と業界知識を持っていること、などがある。これが揃えばこの本はとてもとても役に立つ。
 実は、内藤はマーケティングの良い本を紹介しようと思っていたのだが、コトラーでもいいんだが、コトラーは大学で読んでいない限り社会人になってからわざわざ「マーケティング原理」とか読むのは薦められない。内容的には面白いんだが、分厚すぎるし、即戦力でもない。というわけで、これの前に神田氏監修の本を紹介したのでこれも紹介することにした。
 ただ、この本は実用本としてはマーケティング戦略を扱う関係上、観念的な部分が多いので、ちょっと分かりにくい部分があるかもしれない。また、神田氏のマーケティング論の総まとめ風な部分があるので各論では説明が少し物足りないところもある。そういうわけで補足的な知識として神田氏のほかの本を読んでおくことをすすめたい。神田氏はカラフルな表紙の本をたくさん出しているが、気に入ったらとりあえず全部読む、内容的に重複するが復習になるのでおすすめだ。
 というわけで中小企業のマーケティング担当者(たいていは営業も兼ねてたりするが)に、マーケティング戦略立案に役立つ優れた本なのでとてもおすすめ。