ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

 なんだかこの本はあまり有名じゃないみたい(アマゾンでコメントがついてなかった)のだが、内藤これはコンパクトでありながらポイントを押さえていて良かったのでおすすめしたい本である。
 柳井氏はユニクロのビジネスモデルをきちんと考えて経営している(創業者は皆そうかもしれないが)ため、ときどきで発言する言葉にも本質を突くようなものが多く、柳井語録としてまとめつつ、ユニクロビジネスを解説した本書はとてもわかりやすくユニクロの仕組みを内藤に理解させてくれた。
 内藤は、創業者の自分のビジネスに対する考えを述べる、というのを読むのが好きである。皆が皆、率直に自分のビジネスの意図を述べてくれるわけではないが、信念ある経営者は、自分の考えたことを皆に還元したいと思うせいか、わりかし率直に語っている(もちろんすべては語りつくせるわけではないが)ことがあり、そのビジネスの理解に役立つ。どちらかというと内藤は、単にジャーナリストが流行りの企業を解説してくれた本はあまり好きではない。やはりそういう解説本はライターの理解力の限界を感じやすいし、内容の濃さは取材量にも比例するので、流行っているから安直に解説するという本だと、取材量が少なく、表面をなぞっただけのことが多くあり、内藤はあまり好きではないのだ。
 この本の場合、創業者の柳井氏の重要な発言を押さえて作ってあるので、とても良いユニクロの解説書になっていると内藤は思う。文庫本でコンパクトにまとまっているのも嬉しい。次に紹介する予定だが、最近、柳井氏本人による「一勝一敗」という本が出ているが、ユニクロの業績低下にともないマスコミが手のひらを返したようにユニクロ批判をすることに対して反感があるせいか、いかにコツコツやってきたかを強調する作りになっていて、ちょっと地味な本だ。また、ビジネスについての網羅的な解説がないため、ユニクロビジネスの骨格をつかみにくい。そういう点でもこちらの本を先に読み、要点を押さえた上で、補遺集として「一勝一敗」を読むとより理解が深まると内藤は思う。


 というわけで、ユニクロビジネスをコンパクトに濃く学べる一冊としてまずおすすめ。