ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

 ソニーのほぼ創業期からの従業員14人にソニーについて語ってもらった本である。その中には大賀氏も出井氏も含まれている。
 ソニーについて書かれた本は数多くあり、内藤はどれがベストかわからない。だが、これは文庫というコンパクトでありながら、非常に密度の濃い本であると思う。まあ14人もいるので、語る内容の良し悪しや濃さには差はあるが、特に内藤は、大曽根幸三氏の部分が特に必読ではないかと思うくらいおすすめだ。いくつか引用してみる。

 ものには、値ごろ感というものがあります。大きさ、機能、用途などから見て、「いいけど、高すぎる」と思われたら、その値づけは失敗なのです。そう思われたら、商品は売れません。しかし、「高いけど、さすがだぞ」と思ってもらえれば、成功なんです。こっちは、間違いなく売れる。

 このように、しっかりした目標を持って、あきらめずにやり続ければ、必ず目標を達成する日はくるのです。ですから、上の者は、つねに明確な目標を設定しなければなりません。しかも、ものをつくるうえでの目標ですから、誰にもわかるようなはっきりとしたイメージを頭のなかにくっきり描いて、それをいろいろな方法でみんなに伝えることが必要なんです。抽象的な空想では、目標になりませんからね。

 客がいま欲しがっているものは、すぐに心変わりして、また別のものが欲しくなる。客が欲しがっているものを追いかけるのではなく、客のためになるものを先取りして提供するのが、私たちの仕事だと思います。

 よく、営業や販売の人たちは、「これだけ市場が成熟しているのだから、とても売れません」といいます。けれども、いくら市場が成熟していたって、本当に便利なものを出せば、みんな買いますよ。


 この本にはほかにも優れた鋭い意見が多く載っている。こんな小さな本なのにとても凝縮された内容の一冊なので、とてもおすすめします。