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ピーター・ドラッカーの比較的最近の本であり、わりかし薄いので読みやすく、現在、発現し始めた問題について、ドラッカー独自の視点で分析がされている本です。内容的にも読みやすく分かりやすく、氏独自の歴史観に基づいて現代を分析しているので、物事の一面はこのように動いているのか、と氏の鋭い切れ味の分析を楽しめます。
氏の分析がすべてと見るのも危険ですが、かといって、ドラッカーの洞察を知らないのも危険です。つまり必読ではないかと思うのです。人口動態、労働市場の変化、IT革命の先、教育の変化、組織のマネジメントの変化、中国を中心とする国際貿易の変化、等について、ドラッカー独特の分析がされています。
そういう意味ではドラッカーは面白いので、手に入るものは読んでみるとどれも目からウロコが落ちるようなことが書いてあると思います。少なくとも内藤が必読と思うのは、とりあえず現在のことが書いてあるこの「ネクスト・ソサエティ」と、次に紹介する1967年に出版された「断絶の時代」です。
ともかく、ドラッカーを読んでいないならまずお薦めの一冊です。