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メジャーリーガーといえばとんでもない競争の中を勝ち抜いてきたベースボールマシーンかと思うが、マイナーリーグからメジャーに昇格したり、調子が出なくて落ちていったりなど、いろいろ紆余曲折がある。そうした中でメジャーで力を出すために必要なことがらをタック川本氏がエピソードを交えて語る、人生勉強の本。
僕らは別にメジャーリーガーのようなレベルの厳しい競争をしていませんが、でも、やはり競争社会であるので、彼らの生き方で参考になる点が多くあると内藤は思います。例えば、プラス思考について、
自分の能力で無理なことに対して、気持ちだけ先走って、自分では"大丈夫だ、オレならできる"と言い聞かせることこそ、凶という結果につながるんだ。
とか、プロは反省はしないとして、
コーチから、「反省しろ」と言われ、ウルビーナは一度だけ反省してみたが、これはあまり意味のないことだったことに気づいた。反省をすることによって、関係のない想像までを引き起こし、それが引き金となって心がだんだんと重くなっていくことに。
また、好奇心を忘れないでいることが大切だとして、
人は、キュリアス・キッズになることで、無限に可能性を広げることができるが、ちょっとした勇気がないばかりに知ったかぶりをしていたのでは、せっかくの潜在能力さえ潰しかねない。
などなど、人生の知恵に満ちた一冊です。また、メジャーリーガーがいいコメントをすることについても、新人の頃からスピーチを訓練していると聞いて、なるほどなあと思いました。やはり準備なくしては気の利いたコメントはできないですね。
というわけで、メジャーリーガーの生き方から、読み手の人生に役立つものが何かしら得られる一冊です。明日から頑張ろうという心地よい気持ちにさせてくれる爽快な一冊です。