ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

 ウィン・ウィンはよく言われています。しかし、この著者はそれは間違っている、というのです。

交渉に強い人間は、無知な相手が早々と妥協するのを待っている。自分は妥協せずに、相手に譲歩を強いる。その間常に笑顔を絶やさず、ウィン・ウィンの精神を前面に押し出して、「私たちはパートナーだ。仲良くやろうじゃないか」と言うのだ。


 つまり、交渉下手がウイン・ウインで交渉に臨むと狡猾なトラに食われてしまう、というわけなのです。いや、実際、この著者の考え方に内藤は大賛成です。注文が欲しいゆえについ譲歩しすぎてしまうのです。それをウィンウィンだから、といってはいけないと内藤も思うのです。


 この本はほかにも、ノーと自ら言う効果や、顧客にわざとノーと言わせるテクニックについて分かりやすく解説してくれています。効果的な「イエス」は「ノー」の後に来るというのです。このあたりは非常に役に立つ説明がされているので、直接、本を読んで欲しいところです。


 ほかにも、結果をゴールにしてはいけない、つまり、営業マンなら売り上げをゴールにしてはいけない、と言います。なぜなら、売り上げをゴールにすると、交渉の過程で一喜一憂してコントロールできなくなるからです。また売り上げは相手の判断によるものなので自分ではコントロールできないわけで、コントロールできないものをゴールにしてはいけない、と言うのです。いや素晴らしい。


 この本には営業マンが顧客と交渉するのに役に立つノウハウがみっちり詰まった、非常に内容の濃い営業(交渉)本になっています。交渉に強い人も、弱い人もぜひ読んで欲しい役に立つ一冊で、非常にお薦めです。