ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

2004-09-01 「クイックレスポンス(3)」 (9/01のメルマガのコラムです)


ビジネス本マニアックスの内藤です。


 さて、ここのところの昨日の続きですが、クイックレスポンスの話に戻ります(やっと)。


 今はメールという便利なものが普及したので、10年前とは違って、数時間内のレスポンス、遅くとも一日以内のレスポンスが当たり前です。


 とはいえ、それが出来ていないところって多いですよね。まあそれが、顧客側と売る側の意識の違いから来ているわけで、しかも、売る側からすると、そんなに早くなくても、とつい思ってしまうという話でした。


 頼んだ側の時計と頼まれた側の時計って違うんですよね。進み方が。メール出した側はいつ返事が来るか送信した瞬間から待ってるわけです。ゆえに、顧客側の時計に合わせる必要があるんです。


 じゃあ、メール時代がやってきて、クイックレスポンスが要求されるようになり、売り手は面倒になったか?というとそんなことはないんですね。


 メールのやり取りする相手っていうのは、少なくとも電話で話したことがある相手です。正直なところ、ダイレクトメールなんてeメールでやる意味が良く分からない。読まずに捨てられるのがほとんどじゃないですか。しかも、そういうジャンクメールは増えるばかりで競争も激しい。


 というわけで、一度でも会ったことがある相手とやり取りするのに一番いいのがメールです。メールのおかげで一度でも買ったお客さんに気軽にコンタクトできるようになったのです。これは凄い意味を持っています。一度買ったお客さんは、ちゃんとメールを読んでくれるし、しかも、メールを出すのに、コストも時間もほとんどかからないわけです。


 それなのに、商売をやる側になると、つい返事が遅れてしまうんですよね。


 でもメールという便利な連絡手段が出来たおかげでレスポンスは速いことが期待されています。ファクスで連絡していた10年前とは時代とは違うんですよね。


 今は、お客さんからメールが来たら、とりあえず「受け取りました」という返事はメールみたらスグやる、と。これが基本ですよね。


 でも、ビジネス同士のやりとりなんかだと特に、たぶんやってない人って結構いると思います。メール来たら、読んで、また置いておいて…、また読んで、やっと返事とか。内藤の取引先の人でもそういうの結構あるみたいだし。


 でもメール時代は、来たらすぐ返事が基本。いやまあ内容によっては即答できないことが半分以上はあったりしますよ。見積もり下さいとか、質問とか。でもとりあえず返事をする。正式な返事をする日時を答えておく。


 要は自分の仕事の時間の見積もり力が問われているとも言えます。結構大切な力です。今している仕事に何分かかって、ToDoに入っている仕事それぞれに何分かかるか、という見積もりがないといつ返事をするか答えられないわけです。


 また、質問のメールであれば、即答できなければ、いついつまでに回答するという連絡をすぐにするのですが、それはつまり、二回連絡することになります。でもその手間はぜんぜん無駄じゃない。場合によってはメール受信するなりすぐに電話をする。例えば、アポの時間すり合わせなんてメールでやり取りするよりも今メールを受信したらすぐに電話をかけて時間のすり合わせをしたほうがいいですよね。


 ときどき、メールでアポの時間のすり合わせをしている人がいるのですけど、あれは時間の無駄でしかない。メール時代とはいえ、電話でやったほうが早いことがあるわけです。内藤がメールでアポ時間を取る場合は、初めから「○日の×時はいかがですか」とこちらの都合がいい日時を指定します(電話でもそうですが)。それがダメなら、逆に大丈夫な時間の返事が来るはずです。これを日時指定せずに延々とやり取りする人がいるので
すけど、アホかと思えてきます。メールの使い方が間違ってるのですね。


 こういうのって、ちょっとしたことなんですけども、一年くらいでは差が出ないですけど、三年くらいするとはっきりと差が出てきます。


 印象が違うんですよね。「あの人はいつも返事が早くてストレスないなあ」って必ずお客さんは思う。でも、そういうのは一年くらいでは差が見えない。これが怖いところです。ビジネス同士の仕事だとそういう影響がゆっくり出てきます。


 レスポンスが遅くて「ちょっとあそこは遅いなあ」と思っていても、とりあえず必要だから連絡はしたりするし、注文はしたりするんですよね。だからしばらくはあまり差がつかない。でも三年くらいしてくると、やっぱりそういうストレスはボディブローのように効いてきて注文は途切れがちになってきます。


 まあ当たり前なんですけど。内藤にとって驚きだったのは、いったん取引が開始したビジネス同士の付き合いだと、担当がよほどアホでもビジネスは続いたりする、ということでした。まあ長期的にはマイナスになるんですけども、数年は大丈夫。要はお客さんも担当レベルでは取引をやめられなくなってるんですよね。


 たぶん世の中には大企業の看板背負って、昔からの取引先と質の低い営業をやってる営業マンがいっぱいいるんだろうな〜と思ったりするのです。内藤は思うんですけど、営業ってつぶしが効くとか言いますけど、いやー、少なくとも30%くらいの営業マンはつぶし効かないんじゃないかな〜と思うんですけどもね。


 というわけで、そういう日常のスムーズさというのは、ビジネス同士であれば、すぐに結果は出てこないですけども、やはり好印象は残るので数年経つと違いが出てきます。怖いのは、ひどい応対をしていてもすぐには差が出ないことです。


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