ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

2004-08-31 「クイックレスポンス(2)」 (8/31のメルマガのコラムです)


ビジネス本マニアックスの内藤です。


 さて、昨日の続きですが、クイックレスポンスの話から派生しましたが、


売りたいので、顧客は大切にしないといけない。でも、顧客は神様とか言って、かしずく奴隷なんかになりたくない。自分の都合や利益も守りたい。そういう状況ゆえに、売る側になると買う側の気持ちなんて考えていられなくなる、という話でした。


 要は、商人と顧客の良い関係が築けるかどうか、なわけですが、単純にそれは売り手の商人側にかかっています。お客さんが悪いんではないんです。


 売り手側の顧客の誘導次第で、売り手と買い手の関係は変化します。大切な点は、すべて売り手側次第だと内藤は思うのです。買い手はたいして問題ではない。


 いやまあ確かに、とんでもないお客さんっているものです。あまりにひどいお客さんは初めから排除してしまえばいいのです。そのためにも、売り手は、顧客との良好な関係というのがイメージできていないといけないのです。それに明らかに反する人は、排除する。


 「とんでもないお客さんがいた!!」的なものを読んでると、まあ確かに、とんでもない人もいますが、他方、顧客誘導が良くなかったんじゃないかな、と思うケースも多いのです。そういうときに、売り手側は明瞭に、顧客と商人との良い関係像がイメージできていたのかな、と考えるととてもそうは思えない。

 大切なのは、売り手側が、売り手と買い手の良好な関係とはどんなものか、明確にアタマにあることだと思うのです。良好な関係という、基準となる正解がアタマの中にあって、いつも参照できること。これがプライドのある商人として大切なことだと内藤は思っています。


 これがないと、毎回判断で迷ってしまう。毎回、相手の都合を優先させるか、自分の都合を優先させるかで天秤にかけないといけない。それは疲れるし、面倒なのです。それよりも、いつでも、この場合はどこまでサービスするか、とか、どこらへんでサービスを止めるかというのは、アタマの中にマニュアルではなくて、両者の望ましい関係像という明確なイメージで出来ていないとうまくいかないと思います。


 内藤は常にアタマの中に理想の商人がいて、この場合はこうするはずだ、と参照しながらやっています。そうでないと、逆につらいのです。必要以上に媚びてしまいそうになるし、または、必要以上に冷たく不親切にしてしまいそうになるのです。アタマの中に理想像がないと、基準がぶれやすいのです。そして、そのブレは顧客にも影響して、クレームは増えやすくなります。


 顧客の反応は、売り手の対応次第で自在に変化します。人間心理ですから当然ですよね。顧客の反応を望ましい形に変えていくのは、ケース別にどのように言うというマニュアルではダメなのです。それでは顧客はマニュアルの存在に気がつきます。ゆえにゴリ押しするお客さんも出てきます。そして、ゴリ押しされると、動揺したり、頑なに言い張ったりして、さらに、こじれて、そのお客さんと良好な関係は築きにくくなるのです。


 そこで、自分のアタマの中に、顧客と良好な関係を築く商人像が明確にイメージされていれば、自信を持った言動になり、相手への誘導力が上がります。クレームは格段に減るのです。むしろ感謝されるようになるのです。


 まあそこで、そういうアタマの中の理想はどうやったら作れるか、なのですけども。これこそ簡単なマニュアルはないのですが、常に、「理想的な商人だったら、こういう場合どうするだろう」と思って、人を見たり、本を読んだり、実地であれこれ試しながら、とにかく考えることだと思います。そうした中で自分の中で理想とする商売の形とか見えてきて、商人像が出来てくるんだと思うのです。


 モノやサービスを売る仕事に就く限り、自分の中に理想的な商人像を築き上げるようにすることしか、プロフェッショナルな商人にはなれないように思います。


 内藤は今でも理想的な商人像を追い求めている最中です。でも、それがおぼろげながら出来てくるようになって、3年前に30歳でシロウトから営業を始めた内藤が、やっと顧客対応が自信を持って楽になったのです。そしてそれは実際に営業成績に現れるようになってきたのです。


 面白いことに、アタマの中に理想的な商人像を作りつづけ、いつも、アタマの中の理想的な商人と理想的な顧客との良好な関係像に照らしながら判断していくと、顧客はいつのまにか理想的な顧客になっていくのです。そして、それにどうしても合わない顧客は排除してしまえばいいのです。あまりに理念から外れた顧客は付き合うと不幸になります。不幸になるために商売をしているわけではないのですから、付き合わないという勇気を
持つことが大切だと内藤は思います。


 商売をする上で、こういう顧客とは付き合わない、と判断して実行していくのは勇気がいることです。それを自信もって行うためにも、自分の中に明確な理想的な商人像と、理想的な顧客との関係が明確にイメージ出来ていないといけないのです。


 そのためには、日々、理想的な商人とはどんなものか、理想的な商人と顧客との関係はどんなか、理想的な顧客はどんなか、について考え続けなければいけないのだと思います。それが結局は、良い顧客関係に近づく近道だと思うのです。


 つまり、顧客と良好な関係という理想像がアタマにあることで、顧客の都合と、売り手の都合という相反する利益が、仲裁されるのです。だから、クレーム対応がうまい人や、クレームを起こしにくい人は、必ずそうした理想像を持っていると内藤は思います。


 具体的には、実際は振舞い方の型をどれだけ持っているか、ということも顧客との関係に影響したりしますが、型は見て学べばそれなりに身につくものです。でもなかなか身につかないのはこういう精神のほうだと思うのです。


 長くなったのでまた明日に。(クイックレスポンスの話が…)

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