ビジネス本マニアックス

内藤による働く人のためのビジネス本紹介サイト⇒自身の30歳の就職活動についても書いたり。10年くらい更新止まっています。⇒「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ移転しました

 アマゾン書店での本の探しかた (2004年5月8日)

bizmania2004-05-06




 内藤は、アマゾンではそんなに本を買わないんだけど(最近2万円買ったくらい)、その理由は、「内容を見て判断できないから」なのです。


 そんなことは当然なんだけど、となると、こういう通販というか、インターネットでの販売というのは、どういうときに買うか、となると二つのケースしかないと思う。


 ひとつは、その商品を既に知っていて指名買いするケース。既に知っているというのも変だけど、例えば「誰々さんの著書を買う」というような著者指名買いとか、雑誌やテレビで紹介されていて買う、というような。実はこの「既に知っていて買う」というのは、ほとんどの通販の基本だったりします。通販で買ったものってどんなもの?といえば、服とか、女性なら下着や化粧品とか、簡単な家具類とか、ビデオデッキとか、本とか映画ビデオとか、そんなのばっかりでしょ。もちろん例外もあるけど、基本的には、「買う前からどんなものか知ってるか、想像できるようなもの」。通販では「知らないもの」は売りにくいんです。ちなみにこの着眼点は、通販生活の斎藤駿氏から頂いたもの。これだけ秀逸な切り口はないですよ。


 で、もうひとつは、その商品は知らないけど、ある人が紹介したから、というケース。その「ある人」というのが大切で、商品は知らなくてもその人の人となりはよく知っていて信用できるケースね。信用できる人がこうやって薦めるんだから買ってみようかな、という場合。


 つまり、そのモノを知ってるか、それとも紹介した人となりを良く知っていてその人が紹介する、のどちらかしかないと思うのです。で、内藤にとって本というのは、頭をガツンとやられる本を探していて、本探しなんてちょっとした冒険なのです。だから実際に手にとって見ないと買う気にならない。ゆえにアマゾンのようなインターネット通販では買いにくい、というわけなのです。


 とはいえ、アマゾンというのは便利なところがあります。ある著者に感銘を受けて、その著者の本を揃えたい、全部読みたい、なんてのはアマゾンが圧勝です。もちろんアマゾン以外のインターネット書店でもいいんだけど、ともかく実店舗を持つ書店はこの点では決して勝てないのです。なぜか? それは毎月大量の新刊本が出る出版の現状ゆえなのです。これだけ本が滝から水が流れるように、ドッドと出てくるとどうなるか? 書店はその本を全部置くことが出来ないだけでなく、ためておくこともできないのです。次から次から出てくるから。言ってみれば、黄河でダム作ろうみたいなもの。これは有名大書店にしても同じ。もちろん、揃えという点では「マシ」なんだけど、これほどまでの本の奔流をせき止めるダムのような大きさの書店はないのです。そのため、ほとんどの新刊本は3ヶ月程度で書店から消えていきます。1刷くらいで終わる本なんかは確実にそうなります。そもそもほとんどの書店の店頭にすら並ばないし。でもね。そういう本でも「自分にはキク」という本はかなりあるのですよ。これを探すには頻繁に書店を周って新刊本をチェックするしかありません。ブックオフもいいです。ブックオフは1-2年前くらいに出た本が出回ったりしますので、こちらも要チェックです。ブックオフのいいところは「安く買える」というのではなくて、新刊書店から消えてしまった本を拾い上げるのにいいところなのです。


 そのため、ある著者の本を全部読みたい、なんてときには、その本はほとんどが絶版になることが多いです。少なくとも書店の書棚にはないのです。もちろん探せば数冊は見つかるかもしれませんよ。でもそれに出会うためには、都内の書店をいくつも周らねばなりませんし、それでも見つかる保証はありません。そこからすると、アマゾンは、検索で一発で見つかるし、その時点で入手可能な本が「すぐ」買えるのです。労力と時間とお金の節約になります。それに古本も同時に探せるようになっているので、絶版本も手に入る可能性があります。そういう点で、アマゾンは圧勝なのです。


 また、アマゾンは本を買うための優れたシステムをいろいろ考えています。最近検索した本なんかはリストで見せてくれます。便利です。とりあえず気になった本はカートに入れておけば90日間は保存できます。また、ある本を買おうとすると、その本を買った別な人の選んだ本も統計から紹介してくれます。これ読むなら、こんなのもどうですか?というような感じです。もちろん人間ではなくて、プログラムでやっているのですが、統計データを使っているだけあって、まったくの外れというわけでもないのです。10-20冊のうちの1冊くらいは、いいものもあったりします。それくらいでも十分なほどです。というのも、普通の本屋さんではそれくらいのレベルですら紹介できる人はいないからです。まあ、使える本が見つかったら「儲けもの」くらいでよろしいと思います。また、ブックリスト公開機能というのもなかなか面白いです。自分の本のリストを作れるのです。とすると、ある本を探すと、その本をリストに入れている人のリストが画面の右のほうに紹介されます。これも結構参考になるのです。いろいろな個人がお勧めしたくて作ったリストなので、参考になることがあります。それから、中古の本も全国の個人や古本屋がマーケットプレイスというところに出品されていて、検索すれば同時に紹介されるので便利です。出品者の古本かアマゾンの新刊か選べるわけです。すごいことですね。しかも、絶版本も手に入る可能性が上がるので、これは優れたシステムだと思います。


 また、レビュウもなかなか良いですよ。本のレビュウが自由に書けるようになっていて、多くの人が書いています。とはいえ、全部の本にレビュウがついているわけではないのですけど。やっぱり本の数は膨大だから。ただ、レビュウはね。純粋に、ちょっとした参考までにしたほうが良いです。内藤としてはっきりと言える役立つレビュウというのは、専門家に定評のある専門書に付いているレビュウで、プロもしくはセミプロのレビュウだけです。彼らは学術的な背景を知って書きますから。でも、ビジネス書とか、普通の啓蒙書なんかだとあんまり役に立たないです。なんというか、客観がないんですよね。もともとこういう世界は学会のような客観がない世界なので、みんなすごく極端なんです。定評がないんですね。これは仕方がないんだけど。だから、専門書だと、それぞれの学会という客観化する仕組みがあるので、比較的誰にでも役立つ評価というのが出てくるのですけど、ビジネス書だとそういうのがないんですね。小説だと書評が比較的理論的に整備されているので、優れた書評というのは出てくるのですけど、ビジネス書はなかなか難しい。対策は、沢山読むしかないです。少しでも良いと言われた本を読んでいくしかないです。まあ、学会にしろ、客観化という仕組みが必ずしも良いわけではないんですけどね。でも、独りきりの知恵よりも、三人寄れば文殊の知恵じゃないけど、何人かで知恵を寄せ合ってカンカンガクガクの議論をした結果の知恵のほうがベターなことがとても多いので、やはり客観というのは大切かなと思います。もちろん、皆がそう思ってるけど俺はそうは思わないんだ、というのもビジネスには大切なので、その両方のバランスを取ることが必要と思います。


 というわけで、アマゾン書店のメリットデメリットについて書いてみました。参考になれば幸いです。ポイントは、アマゾンでは見て確かめながら買えない、ということです。そのかわり、在庫の多さではナンバーワンなので、特定の著者の本を揃える、といった用途では、もっともローコストに労力なく揃えることが出来るために、ベストということです。また、そうやって本を探すと、その特定の著者に関連した、その本を気に入った人の別な推薦書も見つかるのでそこからまた別な発見もあるということです。絶版本もマーケットプレイスで手に入る可能性があるので、指名買いするならアマゾンが最強です。



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