ブックオフでの本の探しかた (2004年5月8日)

　ブックオフは、少し前にいろいろ物議をかもし出したところですが、本読みの側からすると、ここは新刊書店の補完的な位置にいます。ゆえに新刊書店と一緒に話をしたほうが早いのです。ベストセラー作家からすると、困ったものかもしれませんが、ベストセラー作家はほんのわずかしかいません。

　本は毎月膨大に出版されています。そのため、大きな書店でもひとつではカバーしきれません。それに書店に並んだ本は、次から次へと出てくる本たちに押し出されるようにして、数ヵ月後には店頭から消えてゆきます。新刊書店をぐるぐる回っていても、見落としがあります。または、その本が新刊書店の店頭に並んでいたときには必要ないために内藤のレーダーに引っかからなかった本も、今の内藤には必要ということがあります。そこでブックオフがあります。

　ブックオフは、新刊書店のような雰囲気で、古本も磨いてきれいにして並べる書店ですが、本の流れの特性で言えば、従来の古本屋とはまったく違います。新刊の大規模書店が、川の流れのような本の流れをせき止めるダムであるとすれば、ブックオフはセカンドダムです。新刊書店から流れてきた本を一時的にせき止めています。ブックオフもしばらくすると、ここから流れ出ていってしまうのです。従来の古書店が本を評価して価格をつけてストックしているのとは違うのです。

　ゆえに、新刊書店をぐるぐると巡回するコースの中にブックオフを組み込んでおくと、本との出合いがひろがります。1-2年前に出た本にブックオフで出合えることができます。一年前には新刊書店で出会ってピンと来なかった本も、今の自分にはピンと来ることが多くあります。人間は本を次々読んでいるとどんどん成長していくのでよくあることです。その新刊書店で取り落とした本に再び出会うことが出来るのがブックオフの第一のメリットです。第二のメリットは安いということでしょうか。100円のコーナーにも掘り出し物はいっぱいあります。というのも、100円のコーナーは単にブックオフで長く滞留しているから放出されようとしているだけだからです。従来の古書店の特価本コーナーとは違うのです。あれは、価値が低いとして放出されているのです。

　また、ブックオフは店舗によって本の揃えが違うのです。各店舗は基本的にその店舗で買い入れた本を並べています。そのためブックオフの品揃えには地域性が現れます。つまり、若い人が多い地域だと、そういう人が読む本がいっぱい出ています。ビジネス本を買う内藤としては、20代から30代の人が多く住んでいる地域のブックオフは、宝の山のようなブックオフになります。内藤が読みたいような本が沢山出てくるからです。だからブックオフの各店舗が立地している地域性も考えるとブックオフの品揃えは楽しめます。

　ちなみに若い人が多いところというのは、人口増加地域です。自治体の広報を見ればわかります。20代から30代前半がたくさん住むようになったところです。そういうところは、保育園のキャパが不足とか言われたりしています。そういうところは、駅前に不動産屋と美容院も新しいところが大量に出店しているので分かります。人口が流入してくるので、仕事が多いので不動産屋がたくさん出店するのです。また、若い人が多いと、美容院も沢山できるようになります。ちなみに、そういうところが20年ほどすると、皆が年齢が上がってきて停滞してきます。20年くらい前に宅地化が進んだ郊外などを見てみるとわかります。都内で言えば、下町と言われた地域は、活気がすごくあったのですけども、今では落ち着いてきています。下町だから活気があったんじゃなくて、下町ゆえに、人が入り込む余地があって人口が流入して活気があったのです。活気というのは、単に人の流れの帳尻がプラスになるかで決まるのです。都内に六本木ヒルズをはじめ、汐留や、新しいスポットが出来ています。要は人の流れの奪い合いなのですが、どこも今後しばらくは盛んになるでしょう。というのも、都心の地価下落で23区内の人口流入が増えていると思います。そのため、そこに住む人たちが遊びに行くところとして栄えると思うのです。対して、従来からの東京の衛星都市のスポットは当分は苦しいと思います。いろいろな駅前を見て歩くのはとても勉強になりますので、機会があればあちこち回ってみてください。

　話が脱線してしまいましたが、ブックオフはもう一度本に出合える場所として、新刊書店をぐるぐる回るルートに組み込んでおくと吉ということです。ブックオフも本はどんどん放流されていきますので、見つけたときに買うのが吉です。また、ブックオフは地域性があるので、自分の好みの本があるブックオフ、つまり、自分と同世代がたくさん住んでいる地域のブックオフに行くとたくさんいい本に出合えます。ブックオフはこのように使うのです。

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